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Beat Fiction

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《遊び》を記録する



 スマートフォンのアプリ、[Node Beat](AFFINITY BLUE)について、私はこう考えた。
 音を出す仕組みを持った原子があると仮定して、そのうちの素粒子が空間にいくつか散らばり、ある一定の法則によって運動し始めた時、発音の時間軸ではどのようなことが起こりうるか、それは音楽として認識できうるものか、と空想してみたわけである。
 物理に詳しいわけではないので、これは単なる私自身の馬鹿な妄想に過ぎない。しかしもしかすると、[Node Beat]の開発者も同じような妄想に駆られてこれを作ったのではないか、という気がする。

 他にも、既存の楽器(打鍵・弾弦・吹奏)のモデリングとは一線を画した、新しい発音法による電子楽器は存在する。それらはやはり、物理的な運動法則(のエミュレート)と発音とを組み合わせたものが多い。
 私がこれまで認知したもので最も記憶が古いのは、1970年代頃の電子ゲーム「ブレイクアウト」(日本では「ブロック崩し」で有名)である。跳ね返ってくるボールがパドルやブロックに当たる瞬間のBEEPサウンドの連続は、規則的かつ不規則なビートを生み出す。それは無意識にとらえられる音楽であったし、「ブレイクアウト」は電子音によるインプロマシンだ、と逆転の発想をした時、まさにそれは新たなリズムマシン誕生の予兆であった。

 少なくとも[Node Beat]は、「ブレイクアウト」におけるボールの反射という運動法則よりも複雑で、空間に放たれたノードとジェネレーターの数が多ければ多いほど、互いが連関する確率は高くなり、発音の派生率は累乗化していく。
 こうした音の発生状態を、見なしの空間でシミュレートすると考えれば、[Node Beat]は非常に面白い玩具となる。音のアルゴリズムだけでなく、運動法則そのものを自在に設定することができれば、さらに発音の派生は無限に広がるだろう。

 ただし、音の派生と音楽との距離――観念的な音楽を即興で形成する場合の、演奏者のアプローチの仕方の問題は、逆に単純化していく。最も簡単なアプローチは、ノードとジェネレーターを選び出し、見なしの空間に解き放つこと。解き放つタイミングはなんとか演奏の直感らしさを表せるものの、あとは動いているノードとジェネレーターの運動を指で変動させたり止めたり、ぐらいしかなく、派生した音の時間軸を操ることはできない。

 音の発生の偶然性といったものを、演奏者という立場から離れ、客観でも主観でもない状態から“見守る”。ここでいう“見守る”とは、レコーダーを回す=RECボタンを押すということだ。
 そうして記録された偶然のパラダイムを、残すか抹消するかの音楽たりうる直感的な判断と意志こそが、実際のところの[Node Beat]における即興音楽ではないか、と思われるが、それについてもあまり自信はない。
 結局のところ、禅の境地でこの《遊び》に興じるほかはないのだ。

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