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Butoh Project

Romanesque

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よみがえれ、土方巽! 

 
 「Romanesque」は、舞踏家・土方巽に関わる「身体とRのインヴェンション」という実験を兼ねて制作された。そもそも今プロジェクト自体が、実験から実験へと数珠つなぎに連なる、音響と音楽における壮大な実験場である。
 ある一つの舞踏公演をおこなう時、どうしてもその一つ一つの舞踏シーンに既成の現代音楽やクラシック音楽を当てる必要があるかも知れない。しかし本来舞台とは、バックグラウンド・ミュージックでさえも、すべてその演出に則って創作しなければならないのではないか。総合芸術の本義とはそういうものであり、その基本的な考え方から、今プロジェクトは生まれた。
 
 かつて、“命懸けで突っ立った死体”を演じてきた土方巽の身体表現=暗黒舞踏を、もはや目の前で観ることが不可能であるなら、いっそ彼の「身体」を借り、それを「音」にコンバートして、音楽そのものに成り変わってもらおうと考えたのが、「Romanesque」である。前半部のピアノの旋律やウッドブロックのリズムなどが、それに当たる。その「音」の流れ=演奏こそ、土方巽本人である。実はこれは、土方巽の「身体」写真画像を借用して、ソフトウェアを用いて画像データを「音」にコンバートしているのだ。
 そうしてまったく不思議なことに、その抽出された「音」は、いかにも土方舞踏に似つかわしい。ままならぬ「身体」の歩行や動き。呆気にとられるほど奇抜な衣装や、身につけられたグロテスクなアクセサリー。くちゃくちゃに乱れた髪に白塗りの顔。あるいは奇天烈な表情のメイク。私の中での土方巽とは、悪魔を迎えたかのような鋭い大きな眼光と、痩せて剥き出しになった肋骨の陰影がすぐに頭に浮かぶ。それが土方巽を記号化し、強烈な印象となっている。
 
 「Romanesque」を土方巽に舞踏していただく。この世ではない、あの世の沙汰として。土方はどう踊るのか。後半部の壮絶なリズムで彼は、おそらく悶絶し、脚がもつれ、ぷっつりと神経が途切れてしまうかも知れない。それこそが、彼の舞踏である。
 私はそれを是非見てみたいし、生前の彼の舞台を間近で観ることができなかった思いを糧に、ここで没入したい。ともかく、オマージュとして楽しんでいただければ幸いである。炸裂する魂の人、それが土方巽だ。

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 2016.11.17

画像を音にした「Romanesque」

 
 


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