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Old Barber

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オールド・バーバー。それは刈りあげの思い出なり。



 小学3年生頃の話――。いつも頭を刈ってもらっていた床屋さんがその日に限って休みで、今日中に刈ってもらいたかった私は、仕方なく別の床屋さんを探した。
 そこは一度も訪れたことのない床屋さんで、古い感じの床屋さんだった。おそるおそるドアを開けると、シーンと静まりかえっていて、誰も人がいなかった。やがて黒縁の眼鏡をしたぎらっとした主人が現れて、私は催眠術にかかったように椅子に座った。
 もう帰りたいと思ったが身体が硬直して動かなかった。店の中は、私とぎらっとした主人の二人だけである。
 気味が悪いほど静まりかえっていた室内ですっかり怯えていた私は、ぎらっとした主人の一挙手一投足を見守った。主人は、棚の上に置いてあるラジオのスイッチをONした。音楽が流れてきた。私はこれでだいぶ気持ちが楽になった気がした。

 小学3年生の私は、適度な刈りあげを希望していた。バリカンで後ろを刈られている最中、ぎらっとした主人はまったく何も喋らず、会話はしなかった。バリカンのけたたましい音と、ラジオからの音楽だけが響いた。

 なんとなく不安になったが後の祭りだった。バリカンの刃がなんだかすごく頭の地肌を擦っているような気がしたが、鏡で後ろを見せてくれなかったのでどうなっているかも分からず、ぎらっとした主人の意志と行動に待ったをかけるだけの知恵やら勇気やらは、小学3年の私にはなかった。
 家に帰ってから、頭の後ろを鏡で見て不安が的中した。適度な刈りあげを希望していたのに、頭の天辺のつむじのあたりまで見事に刈りあげられ、後ろ全体がつるっぱげのようになっていた。涙がこぼれ落ちたがどうにもならなかった。
 無論、その床屋には二度と足を運ぶことはなく、それからさほど長い年月が経たぬうちに、あの時のぎらっとした主人は病気で亡くなり、主を失った店はいつしか閉じられた。

 私のあの時の不安な気持ちを、ラジオで流れていた音楽で代弁するなら、こんな音楽だったかも知れない。「OP-1を使ったサウンド・インスタレーション」の「オールド・バーバー」。はっきり言って情念こもってます。

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