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Sammy and Ella

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サミーとエラの小さな物語



 森の見える小さな町。山荘を改築して間もない、こぢんまりとした家――。兄のサミーと向かい合った妹エラは、深沈と座し、ウィジャボードに手を添え目を閉じた。時折野鳥のさえずりがこだまする中、静かな瞑想の時間が流れた。
 いつものようにサミーはエラにいくつかの質問をし、霊媒となったエラは、ウィジャボードによる自動書記(オートマティック・ライティング)で「霊」の反応を書き記した。
 いつしかこの兄妹は心霊現象に興味を抱くようになって、日曜の夜ともなると、こうしてウィジャボードを使った自動書記を繰り返していた。外資系の銀行員であるサミーにとって、愛する妹エラと二人で過ごす日曜の休日は、何よりも大切な時間なのであった――。

 そうした二人の兄妹の物語は、横へ置いておこう。
 ダンス・ミュージックであるこの「Sammy and Ella」は、まるで「霊」を呼び込む自動書記のような音響的効果をもたらす、iPad/iPhoneアプリ[Scape]によって作られた。ブライアン・イーノとピーター・チルヴァーズが開発した[Scape]は、誰でも簡単にアプローチできる画期的なシンセサイザーであり、癒やしの道具ともなっている。とは言え、イーノらに「これは決して心霊的な自動書記ではない」と固く否定されてしまうであろう。


 無論、私もそれに同意する。決して自動書記などではない。

 しかしながら、その[Scape]を扱ったことによって、サミーとエラの物語の創作が浮かんできたことも事実である。音楽は時に意外なほどの《物語》を、誘発する。
 私は無心になり、その《音の精霊》とも言うべきエレメントを、いくつか配置した。[Scape]はこれだけで一つの曲を自動で奏でることができる。
 ここまでは、ある種鑑賞のためだけの、シンセサイザーをcurateするためだけの、受動的的試みである。

 「制御不可能な音楽」に対し、私は何か恐怖を感じる。まさにそれは、サミーとエラの物語の終末――それも悲劇的な不幸な末路を示唆しているのではないかという恐怖。
 私はその“恐怖”を“希望”に転換するために、「制御可能な音楽」すなわち古典的な音楽手法を用いて、「Sammy and Ella」を完成させた。

 …未だサミーとエラは自動書記に取り憑かれているものの、少しばかり兆しが変わった。エラの誘いによってサミーは、その日曜の夜、ダンス・パーティへ繰り出すようになったのだ。仲睦まじい二人の兄妹が朝方まで踊り明かす。
 「霊」は二人に愛想を尽かして、どこか別の小さな町へ、去って行った――。

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