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東京マタニティ

Lyrics and Music by Utaro
Produced and Instruments Composed,Vocal Performed by Utaro
Washboard Percussion Performed by Hideyuki Konno
Copyright ©2015 Dodidn* All Rights Reserved.

東京の街をさまよう《裸女》の姿 

 
 この「東京マタニティ」を作詞するにあたって、私はある強烈なイマジネーションから逃れることができず、そっくりそのまま、それをイメージしながらストーリーを積み上げていった。
 真昼。さらけ出した大腹を小刻みに揺らしながら歩くその《裸女》は、足立区の梅田方面から、荒川に架かる千住新橋を渡る。まるで夢遊病者のように。その度肝を抜く《裸女》の姿に、道々騒然となる。《裸女》はその先の千住大橋も渡りきり、三ノ輪、根岸へと歩き続けその夜、谷中の霊園へ辿り着く。《裸女》は、命を懸けた一つの旅を成し遂げる――。
 
 “ムード歌謡”と聞けば私はいくつかのキーワードが頭に浮かぶ。東京、大阪、銀座、道頓堀、都会の街、雑踏、ネオン、高級クラブ、男と女、ロマンス、化粧、ダンス…など。
 先の《裸女》のイマジネーションと“ムード歌謡”とを作詞作曲の手段として最初に結びつけた理由は、私にとってもある意味不可解な、謎である。しかし、そんな不幸な女の物語は、華々しくもどこか切なげな雰囲気の“ムード歌謡”スタイルでやるしかない。「東京マタニティ」のプロジェクトは、ラテン音楽への挑戦と不幸な女の物語の決着がコンセプトとなった。
 
 当初の作曲段階では、イントロと間奏がまったく違っていた。尺を測ったら5分半ほどあった。5分半というのは“ムード歌謡”に相応しくなかろう、ということで練り直し縮小した。あのイントロになった。間奏部分はなかなか思いつかなかったが、女の熱い感情が込み上げてくるような重奏をなんとか得ることができた。
 
 レコーディングでは、自己批判ショーの紺野秀行さんがウォッシュボードでパーカッションを演奏してくれて、この曲のリズムの面白い味付けとなった。どのパートも欠かすことのできない、楽曲上の役割を果たしている。
 
 《裸女》は確かに一つの旅を成し遂げた。しかしそこに、愛する男の姿は無い。壮絶な宿命を背負いつつ、女は子を産む。“東京マタニティ”はあなたの目の前にいる。

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