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実験コーナー/
実験とオマージュのこと



 2011年の9月から翌月にかけての1ヶ月間、〈2つの楽曲を用いて、リニューアルされたレコーディングシステムの利便性、効率性、自分自身が望むサウンドの再構築を図る、実験する〉という主旨で始められた楽曲「ママのそばで」と「G線上のアリア」のレコーディング。この2つのレコーディングで私は、サウンドに対する多くの発見と音楽的な考察を余儀なくされた。

ROLAND VS-1824CD 自宅スタジオのリニューアルに関してはこういう経緯である。
 ――2002年以降、メイン卓はROLANDの「VS-1824CD」であった。ほとんど映像のためのサウンドトラック、それも主にナレーション録りに使用しているに過ぎなかった。そのうち、ファイル化するためのソフトウェアが必要になり、ノートPCによる「Pro Tools 7」(LE)起動を模索し始めた。2007年の頃である。

〈現在、部屋を埋め尽くしている音響機材によるシステムに、DIGIDESIGNのフェバリットソフトウェア「Pro Tools」を導入したらどうなるか、ということを考えてみた。基本的なことを言えば、コンピュータの中にMTRが存在するのだから、トラック数は現況の18トラックを飛び越えて、128とか規模の大きなコンソール並になる。それはそうとして、「音」をマップ上で切り貼りできることが、最大のメリットである〉

(2007年10月・自身の日記より)


 「Pro Tools 7」を卓として考えるのであれば、当初はやはりサブ卓という位置づけであった。メイン卓はあくまで「VS-1824CD」だった。その当時のMBOXとLEの組み合わせではレコーディングの際のレイテンシーがネックであり、生録りにはまったく不向きであった。しかしながら録りの音を比較してみると、「VS-1824CD」よりも遙かにクリアで緻密だ。なんてことだ…なんとかならないものかと苦渋の状況が続いた。
 ナレーションのノイズ除去や編集をメイン卓で行っていた作業は、次第に「Pro Tools 7」で行うようになった。明らかにこちらの方が楽である。録りはメイン卓で、しかしすぐさまサブ卓に流し込み、そこで編集を行うというのは、なんともいびつ、非効率ではないか。

AVID Pro Tools もはやバーチャルな卓に対する違和感は払拭されていた。90年代におけるアナログ卓からデジタル卓への移行、そして随分乗り遅れてしまった「Pro Tools」への精神的移民。

 2011年初頭、第3世代のMBOX PROを導入し、そのサウンドを試聴して決心が固まった。揺るぎないサウンドの格調がそこにある――。「Pro Tools 9」へのアップグレードを機に、自宅スタジオのレコーディング環境を改革することを決断した。それはつまり「VS-1824CD」との訣別を断行することであった。

 そうして始まったのは、「Pro Tools」への哲学、新たなサウンドへの模索である。人々が音楽を聴いて楽しいと思うこと、昂揚すること、感動することのブリリアントな発見が、「Pro Tools」の中で生まれてくる予感。神の領域。それを敢えて言葉にするならば、もはやそれは《福音》であるとしか思えないのだ。

〈了〉
(2011.10.19)

レコーディング実験


▼曲目1「ママのそばで」 (中山知子作詞/インドネシア民謡/白川雅樹編曲)
※合唱用のスコアよりセルフアレンジ。ヴォーカル:Utaro

■レコーディング及びミキシング、マスタリングは24bit/96kHz。
■マスターファイルを16bit/48kHzにダウンコンバートし、mp3ファイルを生成。

LinkIconmamasoba.mp3


▼曲目2「G線上のアリア」 II AIR(Suite for Orchestra No.3 in D major,BWV1068)管弦楽組曲第3番ニ長調第2曲G線上のアリア/Johann Sebastian Bach
※既成MIDIデータ使用。

■レコーディング及びミキシング、マスタリングは24bit/96kHz。
■マスターファイルを16bit/48kHzにダウンコンバートし、mp3ファイルを生成。

LinkIcongsenjo.mp3