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マイクロフォンの話⑤

職人気質のAT4047/SV


AT4047/SV■audio-technica AT4047/SV
・形式:コンデンサー型
・指向特性:カーディオイド
・再生周波数帯域:20Hz-20kHz
・出力インピーダンス:200Ω
・感度(0dB=1V/1Pa、1kHz):-35dB
・質量:430g

 既に所有していた同メーカーのAT2050は、指向特性が可変タイプのもので、廉価でありながらしっかりとした明るい音が録れ、ナレーション録りなどに重宝していた。
 それと比較してAT4047/SVは、高域がやや抑えられつつ、低域がわずかに持ち上がり、中高域にこのマイクロフォンの特徴的なレスポンスがあり、ノイマンのそれとは異なる中域の深みが感じられる。

 そういった意味では、男性ヴォーカルには良くマッチしたマイクロフォンである。以前のaudio-technicaのマイクロフォンのイメージは、エレクトレット・コンデンサー型のラベリア・タイプを主流とする汎用性のあるもの、特にポスト・プロダクション向き、といった感じで、悪く言えば、品質は高いが無色透明、無味乾燥の感が強く、音楽的なレコーディングには向かないのでは? と思ったこともあった。

 ところが、ここ数年のATシリーズのマイクロフォンは、もはやそうしたイメージを完全に払拭させている。言うに及ばず、トップクラスのそれを提供し続けている。彼らの一挙手一投足が気になるほどである。
 メーカーの指標は「色づけのない音質」としているが、先述した無色透明、無味乾燥の意ではない。まず何よりボディの品質性を高めており、あらゆる現場での耐久性能を誇る。その上で音に関しては、奇をてらわず質実剛健を求め、言わばオーディオ業界における“無印良品”のような逆説ブランドと化して賞賛を得ているのだ。

 私自身は、その作品に何か特別なニュアンスを残したいと感じた時、このマイクロフォンを使用する。他メーカーのマイクではさらりと通り過ぎてしまう微妙なニュアンスを、このマイクは独特の感受性で拾ってくれる。
 裏方に徹した職人気質の、マイクロフォンである。この堅実さはなかなか出来ることではない。

〈了〉
(2013.02.27)