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HOME > EQUIPMENTS > AT4080

マイクロフォンの話⑭

AT4080はリボンの騎士的名調子


AT4080■audio-technica AT4080
・形式:リボン型
・指向特性:双指向性
・再生周波数帯域:20Hz-18kHz
・出力インピーダンス:100Ω
・感度(0dB=1V/1Pa、1kHz):-39dB
・質量:474g

 私にとってリボン型マイクロフォンを所有することは、究極の選択でもあった。おそらく使用頻度は寡少なれど、何かその持ち味を発揮する可能性はあるのではないかと。
 リボン型と言えば、もう説明する必要がないほど有名な、RCA 77DX(1949年)だとか国産のAIWA VM-17(1959年)などが挙げられよう。コンデンサー型が主力になる以前の時代の、大艦巨砲的存在を誇っていたマイクロフォンだ。
 永久磁石による磁極の間に、リボン状のアルミ箔が張られており、この振動板が前後に動くことによって起電力が発生する。この振動板の構造上、ある周波数まではフラットで、それ以上の周波数では出力が極端に低下する。製造においてはリボン張りに高度な熟練工が必要。こういった周波数特性や製造上の観点などから、後のコンデンサー型に取って変わった。

 audio-technica AT4080は、リボン型マイクロフォンの基本的な構造を継承しつつも、革新的な設計技術によって出力特性や周波数特性を向上、平年劣化に対する防御対策も施され、かつてのリボン型マイクロフォンのような“扱いにくい”というイメージを払拭させた画期的なマイクロフォンである。
 そのサウンドは、コンデンサー型では決して出せない、フラットで暖かみのあるリボン型特有の醸造感がある。言うなればそれはもあーっとした暖かさであり、まったくコンデンサー型とは違う。中高域のピーク感がほぼない。であるからして、ヴォーカル録りとしては究極的な選択肢なのである。リボン型マイクロフォンが邦楽の歌や浄瑠璃、三弦などに合うというのも、なるほど頷ける。

〈了〉
(2015.02.05)