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 今月のMessage
閏土は私自身であるということ 


 
 9月。長月。COVID-19の拡がりは依然として衰え知らず。新しい生活様式は定着しつつも、どこか息苦しく、苛立ちすら覚える。いや、心を静めるべし。
 
 なぜ今の時代にこれほどまで、魯迅の作品が心に染み入るのだろうと考えます。掌編「故郷」における貧民の閏土(ルントー)は、私なのだと――。
 作中、閏土は、“旦那さま!”と言って魯迅を迎え、幼馴染みの魯迅と30年ぶりの再会を果たすのだけれど、彼らの少年時代の“仲睦まじい関係”は既に均衡を失い、身分と立場の違いが顕わになる。転じて実際、読み人である私の30年来のクラスメートと再会を果たすことは、同じように「友としての均衡」を失って、精神的な乖離があるからこそ実現しないのではないか――。時の流れの宿命とは異なった、言わば「心の内の身分違い」といった琴線に触れる隔たりが、物事を固く、閉ざしてしまっているのではないかと思ったりします。
 
 幾たびも夢に見るクラスメートらと再会するその機会は、もはや私にはない。決してコロナ禍のせいではない、私が背負わなければならない罪と罰のようなもの。少年時代にもしかしたら、友達の心に傷を負わせてしまっていたのかも知れないなあというところからくる、私の側の心の未熟さと醜さの結果なのです。魯迅の作品が、本当に染み入ります。
 一方で、魯迅の別の掌編作品である「髪の話」の、活気ある辮髪(べんぱつ)譚は、ある種の人間くさい、「生」の活路を表しているとも思えます。言うなれば、魂を冷やし、魂を再び熱くするということ。人生にはそういったことが繰り返しあるのだと。これは、「故郷」の文章の結びで綴られる、《地上の道》の訓示と連関するのではないか。もともと地上には道はない、歩く人が多ければ、それが道になる――。そう、ちっぽけな存在の閏土も、そのうちの一人なのです。
 

(2020.09.01 Utaro)

Utaro

Vocalist & Electro Pop Music Creator

ヴォーカル&エレクトロ・ポップ・ミュージック・クリエイター
Utaroミュージック・サイト[Dodidn*]主宰
1972年生まれ♂Japan茨城県出身
千代田工科芸術専門学校
【音響芸術科】卒業
 
【興味あること】
スタンリー・キューブリック、フランソワ・トリュフォー、ブライアン・デ・パルマ、小津安二郎、市川崑、黒澤明、野村芳太郎、鈴木清順、山田洋次、ルイ・ガレル、ATG、ドビュッシー、グレン・グールド、武満徹、スヴァトスラフ・リヒテル、ジミー・スミス、ビル・エヴァンス、フレディ・ハバード、ジミー・ロウルズ、バート・バカラック、キャロル・キング、シャーリー・ホーン、カーメン・マクレエ、ディオンヌ・ワーウィック、ホイットニー・ヒューストン、マイケル・ジャクソン、ポール・マッカートニー、ワイクリフ・ジョン、山下達郎、夏目漱石、芥川龍之介、岡倉天心、司馬遼太郎、開高健、寺山修司、カミュ、田中正造、朝井リョウ、増島拓哉、村上春樹、紫式部、バルテュス、中村彝、マルセル・デュシャン、舞踏、土方巽、Sasha Waltz、CAJON(カホン)、日本酒・洋酒、中国茶、旅行、新宿風月堂、ジァンジァン、PC-6001、Commodore 64、モノポリー、ラジカセ&カセットテープ守旧派。何故かアイルランドに心惹かれる。
  

 

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