敢えてここで、『学習百科大事典』の最後半にある「整理と要点―日本の歴史―」の室町時代の項を書き出してみたいと思います。
(一部略)
【室町時代の文化】
戦争の多い世間からはなれた、静かな文化が生まれ、文化がしょ民や地方にも広まった。
北山文化…足利義満が京都北山に金閣をたてたころの、室町時代初期の文化。
東山文化…足利義政が京都東山に銀閣をたてたころを中心とする室町時代中・後期の文化。
文学…連歌が流行。おとぎ草子が生まれる。
建築…書院づくり(慈照寺東求堂)
絵画…墨絵がさかん。雪舟、周分らが活躍。
庭園…かれ山水の庭(龍安寺の石庭)
芸能…観阿弥・世阿弥の父子によって能が大成された。狂言も流行。
仏教…鎌倉新仏教がふきゅうした。
学問…朱子学の研究がさかん。足利学校
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【当時のシルクスクリーン印刷】 |
この昭和47年初版の『学習百科大事典』の写真らは、シルクスクリーン印刷で、これがなんとも味わい深い。「東求堂」の写真をずっと眺め続けた幼児の私は、写真の色彩――つまりこの時代のシルクスクリーン印刷ならではの、発色の具合による美しさにも惹かれたはずでした。これが私の「歴史好き」の原初的な体験であり、本の面白さを感覚的に理解したのも、こういった美しいカラー写真を眺めた記憶があったからだと思います。ちなみに、日本史の中で室町時代が一番興味ある理由も、ここにあります。
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