美術

写真・カメラ

それは忘れがたい写真から始まった

【それは2年前、ナショジオの本の中の5つの写真と出合って思いとどまることができたのだった】 人生の半分よりもっと多くのあいだ、こうやってなんたらかんたら“文章”をあちらこちらで書いてきたのに、本当に今年になって初めて、「プロの作家になりたい...
書籍

人新世のパンツ論⑱―特別編III・シキボウと『平凡パンチ』

【1972年2月28日号の週刊誌『平凡パンチ』は男性のブリーフ特集だった】 「人新世のパンツ論」。前回はフンドシと森鷗外について書いた(「人新世のパンツ論⑰―特別編II・フンドシと森鷗外の『ヰタ・セクスアリス』」)。 再三繰り返して述べるけ...
文学

大岡信の「言葉の力」

【光村図書の中学国語教科書】 先日私が観た映画『早春物語』(監督は澤井信一郎)の“春の風景”が美しかった。思い起こせばそれは、学生だった頃に体験した、新学年に移行する時期の頼りない不安だったり、友と別れたばかりのさみしい心持ちの写し絵であっ...
ビジネス

素晴らしき電子リコピー

イタリアのピエル・パオロ・パゾリーニ(Pier Paolo Pasolini)監督の映画を特集したフィルムアート社の映画雑誌『季刊フィルム』(No.5/1970.3.1)の広告に、リコー社の電子リコピー「BS-320」が掲載されていて、毎度...
性教育

人新世のパンツ論⑰―特別編II・フンドシと森鷗外の『ヰタ・セクスアリス』

【わたくし、鷗外さんとはあまり縁が無いと思っていたが…】 「人新世のパンツ論⑭―最終回・愛しきフンドシは二度ベルを鳴らす」では、かつてフンドシが、「日本民族」の「精神的支柱」だった云々をテーマにした。そこでは、私自身が穿いた“フンドシ風”の...
ビジネス

二つの序章―パゾリーニとリコーの印刷機

【パゾリーニ監督とその映画に思いを馳せていると必ず現れる「小さな巨人」】 私は長年、イタリアのピエル・パオロ・パゾリーニ(Pier Paolo Pasolini)監督の映画に対して、インポテンツであったという事実はない。 しかるに、このパゾ...
美術

人新世のパンツ論⑯―特別編I・ペペッティ、ココッティ、スキャンティ

【長崎屋のこのビキニも実は、スキャンティだった?】 私が下着デザイナーの鴨居羊子さんを知ったのは、5年くらい前である。その頃まだ果敢に蒐集していた壽屋(現サントリーホールディングス)PR誌『洋酒天国』(洋酒天国社)の第3号(昭和31年6月発...
音楽

人新世のパンツ論⑮―編集後記・レナウンのワンサカ娘

昨年の11月より開始した「人新世のパンツ論」シリーズは、およそ10か月間、不定期連載を続け、先月14回目の「人新世のパンツ論⑭―最終回・愛しきフンドシは二度ベルを鳴らす」で無事に脱稿することができた。振り返れば、平易なパンツ論でありつつ、少...
写真・カメラ

伴田良輔『眼の楽園』―モーテルという享楽

【またもや登場。伴田良輔著『眼の楽園』】 人々の内に秘めた猥雑さを剥ぎ取ってしまったもの、それがパンデミックのコロナ禍(COVID-19)だ。コロナ禍が、あらゆる想念の《旅愁》すら消し去ってしまった。 それを取り戻すのに、およそどれだけの無...
映画

映画『サイコ』とラブホの関係

【映画『サイコ』に出演したジャネット・リーとジョン・ギャヴィン。そして監督のアルフレッド・ヒッチコック(右)】 春の夕刻、新宿のとあるショップの前で落ち合った。大きな交差点をわたり、ひしめく雑踏から逸れて、私たちはいくつかのビルを横切って角...