Summer Girl Fashion
我がQY-700は永久に不滅です!
――この「Summer Girl Fashion」は、YAMAHAの古いシーケンサー、QY-700という機械を使って“2014年秋”に打ち込みました。知る人ぞ知るQY-700の、あの恐ろしいミニ鍵盤で打ったインスト・ループでございます。聴いてもあまり面白くありません――。
そんなことを先に説明しておかないと、この“未完成”の曲を公開した意図が伝わらないと思う。しかもQY-700を知らない人にとっては、どうでもよいことなのだから。
1996年にYAMAHAから発売されたQY-700は、480音色+11ドラムセットの音源、32シーケンサー・トラック+16パターン・トラックのプロフェッショナル性能を誇る一体型モデルで、当時の価格は128,000円であった。私にとっては高嶺の花であったし、97年に発売された小型の廉価版QY-70で我慢するしかなかった(実は音色数はこちらの方が上で519音色+20ドラムセット)。
そうして2年後にはどうにかこうにか、QY-700を買うことができたのだが、ミニ鍵盤の扱いづらさに苦労し、和音が打ちにくいため、トライアドではなく2和音でごまかしながら打っていたりした。そのうち外部音源のKORG NX5Rを買うことができたので、それよりも少し劣るQY-700音色を純粋に使う機会はほとんどなかったのだ。
それでもけっこう使い続けたことになる。Cubaseに出合う2012年以前は、QY-700が現役の主力シーケンサーであった。自宅スタジオには、“QY-700ブース”というのを設けていた。汗だくの打ち込み場である。尤もその頃は、ミニ鍵盤は使わずMIDIキーボードを使用していたので、以前よりは楽であった。
まだまだこれを現役で使い続けています、という人は多くいるだろうが、そろそろ中古市場から姿を見せなくなり、本当に伝説の、いや幻のシーケンサーと称される日は来るかも知れない。
2014年秋。ほとんど使わなくなっていたQY-700に電源を入れ、久しぶりにミニ鍵盤でリズムを打ち込んでみた。およそ2時間ばかりの格闘。最初から完成させるつもりはなかったから、「Summer Girl Fashion」は未完曲。3分を超えてループが続く。
耳に懐かしいサウンド。なんとなく気持ちがいい。個人的にはもう使う機会はないかも知れない。ひょっとしたらある日PCが壊れて、窮地に追い込まれて泣く泣くQY-700で曲を作らなければならない、そんな緊急事態が来るかも知れない。そんな時のための、バックアップ・シーケンサー。
現役引退機だけれど、なんだか妙に格好いいな。
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