五味彬の『YELLOWS Americans 1.0』
Utaro
琥珀色の少年
※以下は、拙著旧ホームページのテクスト再録([ウェブ茶房Utaro]2003年付「琥珀色の少年」より)。 専門学校に通っていた頃の話である。 学校の帰り道、駅の高架線の下で、懐かしい中学校時代の友人と久しぶりに出くわした。 それ以前に...
駄菓子屋
※以下は、拙著旧ホームページのテクスト再録([ウェブ茶房Utaro]2003年付「駄菓子屋」より)。 小学校の裏門の目の前に、小さな駄菓子屋があった。夏休み、学校のプールで泳いだ帰り、よく友達とその駄菓子屋に寄り道して、そこの店のお好み焼...
生後3年間の原初のこと
※以下は、拙著旧ホームページのテクスト再録([ウェブ茶房Utaro]2003年12月9日付「生後3年間の原初のこと」より)。 スコットランドのコートニー・オグラディの調査によると、生後3年間の人間の赤ん坊に、どんな刺激を五感に与えるかで、...
創作短編「蜻蛉」
道子と康彦が、鎌倉の鶴岡八幡宮へ訪れたのは、この日で2度目であった。尤も夏の暑い日に訪れるのはこれが初めてで、彼らにとって夏の鎌倉は、真新しい澄んだ色彩の連続であり、心身の休息には相応しいと思われた。 康彦は、道子の手をしっかりと握りしめ、...
靖国の祈り
※以下は、拙著旧ホームページのテクスト再録([ウェブ茶房Utaro]2000年付「靖国の祈り」より)。 5月、快晴。午前10時すぎに市ヶ谷駅に着いた。 駅を出て、靖国通りを直進すると、靖国神社の南門がある。 交差点を渡り、派出所を過ぎて...