映画『犬神家の一族』の美と愛
玩具
50年を迎えた『人生ゲーム』
【あまりにも有名すぎる『人生ゲーム』】 私は銀行家であると嘯く。じゃんけんでえらばれた銀行家ではない、人生の道先案内人としての銀行家。子供だった彼らの、遊びのなかに投影された真の映し鏡の人生、その目撃者――。 タカラトミーのボードゲーム『...
助手をさがす―カプセル怪獣のこと
【円谷プロ『ウルトラセブン』】 我が音楽制作[Dodidn*]で音楽活動をやっていて、最近つくづく思った。助手(創作アシスタント)が一人欲しいと――。ついこのあいだ、古いテレビドラマで天知茂さん主演の江戸川乱歩・美女シリーズを観ていて、な...
ゴジラというポリティカル・レガシー
【1954年版『ゴジラ』DVD】 去る8月28日、朝日新聞朝刊にゴジラが現れた。編集委員・曽我豪の「日曜に想う」の「ゴジラと保守 破壊と創造」の記事である。その頃熱狂的な評判となっていた映画『シン・ゴジラ』にあやかっての、ゴジラがテーマと...
電算室での想い出―TK-80への考古学的哀愁
最近、PC-6001関連の本や資料を眺めていて、ふと古いコンピューターのことを二、三思い出したりした。 当ブログで以前書いた「ミニコンに萌え萌え」では、母校の工業高校の電算室で扱っていた、三菱電機の「MELCOM 70」らしきミニコンが懐...
『ポートピア連続殺人事件』の時代
【1983年発売『ポートピア連続殺人事件』(エニックス)】 1983年、私が小学5年生の時、猛烈に夢中になったゲームがある。PC-6001版の『ポートピア連続殺人事件』(エニックス/作者・堀井雄二)である。このゲームの概要については、5年...
レコードとCDのミゾ
岩波書店PR誌『図書』8月号 これ、着物の模様柄かしらん? と、多くの人が思ってしまうこの画像は、レコードとCDのミゾ=“溝”の拡大写真である。 岩波書店のPR誌『図書』ではここしばらく、科学写真家の伊知地国夫さんの写真が表紙となって...
マン・レイとジョンヴェル
【別冊宝島『現代写真・入門』】 家電量販店で買った二束三文のコンパクトカメラで手短な被写体を写し、35mmフィルム撮影を楽しんでいた20代前半。もともと写真が好きであった。次第にコンパクトカメラ特有の弱点、パララックスの壁にぶち当たり、な...
檸檬とカルピスの包み紙
【梶井基次郎『檸檬』(角川文庫)】 筑摩書房の高校国語教科書『新現代文』で梶井基次郎の「檸檬」を読んだ。 この教科書は私が高校時代に使ったものではない。まだ10年前の新しい教科書だ。したがって「檸檬」のあちらこちらには、この教科書の以前...
ミステリーハウスIIのこと
【マイクロキャビン『ミステリーハウスII』】 1980年代前半に一世を風靡した8ビット・パソコンNEC PC-6001の寡少なアドベンチャー・ゲーム群で、『ミステリーハウスII』というのがあった。ミステリーハウスそのものは非常に有名なゲー...
現像しなかったフィルム
先日のショパンの話から連想して、こんなことを思い出した。 私はもう何年も、それこそ何十年もずっと、その机の小さな引き出しの中に、無造作に放り込まれた1本の「フィルム」が在ることを、知っている。 それは古いポケットカメラの110フィルムと...