岸本佐知子さんのアピヨンポンポン
新宿
プレイバック―さらば洋酒天国、恋のソプリツァ
【琥珀色に輝くサントリーのトリス・クラシック】 我が愛しの“洋酒天国”――。どうやら去る時がやって来たようである。悔いはない。 サントリーのトリスを飲む。瑞々しく、琥珀色に輝く“TORYS CLASSIC”の、なんたる落ち着き払った佇ま...
寺山修司の『青年よ大尻を抱け』〈二〉
【前回に続いて寺山修司の「青年よ大尻を抱け」】 前回からの続き。寺山修司著『書を捨てよ、町へ出よう』(角川文庫)「青年よ大尻を抱け」。 女性が感じるところの、「男性の性的魅力」に関する手痛い理屈は、単に、〈もっと大きなタマの持ち主になっ...
お茶とサブ・カルチャーのアーティクル〈八〉
【mas氏のウェブサイトの上高地旅行記】 前回はmas氏のライカと新宿の話。当ブログ「お茶とサブ・カルチャーのアーティクル」のシリーズは数えると今回で8回目である。これは私自身の、カメラと写真を軸とした“素行”を紐解く重要な鍵としての(「...
映画『幻魔大戦』―愛と新宿とポカリのパースペクティヴ
【映画『幻魔大戦』のDVD】 17歳の高校生の主人公・東丈(あずまじょう)が、新宿の街の場末でポカリスエットの缶を蹴る――。取るに足らないシーンのようでいて、どういうわけだか私は、それを見て〈これはただ事ではない映画だ〉と感じた。むろん、...
寺山修司―三分三十秒の賭博とアスファルト・ジャングル
【寺山修司の『書を捨てよ、町へ出よう』角川文庫】 今年に入って、寺山修司の文筆と映像の世界にどっぷりと浸かり始めた。この世界の、至る所から漂う臭気とは、いったい何か――。それは決して花の香りでも、柑橘系の香りでも、ない。乾いた土に雨が降り...
ぐだぐだと、寺山修司と新宿風月堂の話
【福島菊次郎の写真集より60年代の新宿風月堂】 新宿…シンジュク…Shinjuku――と、かの時代の新宿に思いを馳せてみる。1960年代から70年代にかけての新宿。その頃私はまだ生まれていなかったから、1980年代以前の新宿の空気を知らな...
お茶とサブ・カルチャーのアーティクル〈七〉
【これは私の所有物。mas氏に倣って入手したLEICA IIIc】 2019年、ついに“ライカ・ウイルス”感染――。昨年はデジカメのLEICA X2(レンズはELMARIT 24mm F2.8)を買ってしまったけれど、症状はやや沈静化して...
豊かな快楽とアートの深淵―マドンナの『SEX』
【これが正真正銘、マドンナの『SEX』】 前回に引き続き、1992年に出版されたマドンナ(Madonna)のフォトブック『SEX』についての回想及び論考。このフォトブックの外観については、先の伴田良輔氏のエッセイ「スクラッチ感覚」の中のキ...
レトロスペクティヴ―私立探偵・濱マイク
【映画『遙かな時代の階段を』のDVD】 もしこの映画を小学生の頃に観ていたとしたら、〈僕も私立探偵になりたいなー〉と本気で思ったに違いない。…な、わけねーだろ!と通りすがりの人にツッコミを入れていただきたいのであるが、林海象監督の1994...
果てとチーク演劇公演『ヤギの身代わり』
【果てとチーク『ヤギの身代わり』フライヤー】 新宿は大好きな街だった――。中学生の頃は事ある毎に駅周辺を訪れていた。思い出すのは、大きな仮設テントで劇団四季の『キャッツ』を観たこと、賑やかな歌舞伎町の映画館でスピルバーグの映画に夢中になっ...