助手をさがす―カプセル怪獣のこと

【円谷プロ『ウルトラセブン』】
 我が音楽制作[Dodidn*]で音楽活動をやっていて、最近つくづく思った。助手(創作アシスタント)が一人欲しいと――。ついこのあいだ、古いテレビドラマで天知茂さん主演の江戸川乱歩・美女シリーズを観ていて、なるほどと思った。天知さん扮する明智小五郎の探偵事務所の、文代くんと小林くんという二人が、明智の補佐役としてあちこち動き回って活躍するが、ああいうのがいい。ああいう若くて活きがいい、論理的で行動力がある助手――。まあ、贅沢は言わないけれども、そんなような若さあふれる元気な助手が一人いれば、どれだけ助かるだろう。
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 ふとこうしたことで思い出したのが、ウルトラセブン(1967~68年円谷プロの『ウルトラセブン』)の“カプセル怪獣”=ミクラスとウインダムとアギラの存在だ。
 “カプセル怪獣”とは何か――。ガシャポンでカプセルに入った怪獣フィギュアの玩具――のことではない。ドラマの中でウルトラセブンことモロボシダン(森次晃嗣)が、何らかの理由でセブンに変身できない時、急場のピンチをしのぐため、小型ケースに収納されているカプセルを投げつけると、すぐさま怪獣が現れて悪い星人や敵の怪獣としばし闘ってくれるのだ。しかし彼ら(ミクラスとウインダムとアギラ)は実に弱いため、死なない程度に闘ってもらって、ダンが頃合いを見て怪獣をカプセルに戻すのである。
【第3話でカプセル怪獣を登場させるダン】
 第1話「姿なき挑戦者」でその“カプセル怪獣”ウインダムが登場し、第3話「湖のひみつ」でミクラスが登場。第10話「怪しい隣人」では、ピンチに陥ったダンがここぞとカプセルを投げつけるのだけれど、四次元ゾーンだったから不能で怪獣は現れず、困っちゃった…という場面もあった。そのほか、ウインダムは第24話「北へ還れ!」や第39話「セブン暗殺計画 前編」に登場。ミクラスは第25話「零下140度の対決」に登場する。
 で、もう一つの“カプセル怪獣”アギラは、いったい第何話で登場したのか。自称・ウルトラセブン・フリークの私でも、ついつい忘れてしまいがちなのがアギラ。アギラって、どこで何をしたんだっけとあまり思い出せない。
【これがカプセル怪獣のカプセル】
 こうなると仕方ないので、『ウルトラセブン』のDVDライブラリーを観返すことになる。
 そう、アギラは、第32話「散歩する惑星」に登場するのだった。地球を侵略する惑星=浮遊する島は、強力な電磁波を発して地球防衛軍のあらゆる電子頭脳を麻痺させた。島自体が無人の時限爆破装置であり、パトロール中にこの島に不時着してしまったダンら隊員たちは、この強力な電磁波のために作戦行動が思うようにいかない。ダンもピンチに陥って、島に現れた怪獣=リッガーと闘うことができず、ここで“カプセル怪獣”アギラを登場させる。
 小気味よい動きでなかなかや愛嬌のあるアギラは、べらぼうにリッガーに食らいつくが、所詮セブンほどの力などあるわけがない。アギラもついに絶体絶命のピンチに陥り、ダンは手早くアギラをカプセルに戻し、退場させる。第32話「散歩する惑星」のその後のストーリーについては、割愛する。
 ともかく、一見すると頼りないオプション――“カプセル怪獣”に代理で闘ってもらうという非力な手段――のようだが、なかなかどうしてどうして、ウインダム、ミクラス、アギラの存在感は決して地味なものではなく、一つの高座の余興や呼び物としては、十分娯楽性があり、楽しめるものである。
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【カプセル怪獣ミクラス登場】
 なんだかすっかりウルトラセブンの話になってしまった。閑話休題。助手が欲しいのである。カプセル怪獣のようにえいっや!と投げつけると、何か余興をやってくれる人――という意味にとられると、ちょっと違うのだけれど、まあなんとか、“カプセル怪獣”を地元で見つけなければと思っている。
 私が欲しい助手としての内容を少し具体的に述べると、例えばハンディ・レコーダーを用いて、日常での、いろいろな生活音や環境音を録って、ストックしておいてもらう、というマニアックな作業である。できれば何気に街や野外のあちらこちらに赴いた際、その環境音をステレオ・ワイドに録っておいてくれたりすると、ばっちりだ。
 ただ実際には、サウンド・スケープの録音は誰でもできることではない。少しばかり技術を習得しないと無理で、高音質で録るためのいわゆる職人技を会得するには、数年かかるだろう。
【ミクラス。こんな助手が欲しい】
 そういった長いスパンを考えると、やはり若い人でやる気のある人でなければ無理だろうし、こういう録音自体に興味のある人、私のやっているエレクトロ・ポップなるものに興味のある人でなければならない。最低限、私のいる地元もしくはその周辺の地域に居住する人でなければ、ろくなコミュニケーションがとれないだろう。技術をこまかく伝授するには、実演の身振り手振りが必要で、SNSだけでは到底不可能である。
 これらは私個人の冗談・妄想のようにも思える話であるが、助手が欲しいというのは本当に切実な願いだ。暗にここでこうしたことを匂わせておき、なんとかかんとか考えて、どこかに働きかけて、ゆるりとさがしてみることにする。

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