Utaro

書籍

人新世のパンツ論⑱―特別編III・シキボウと『平凡パンチ』

【1972年2月28日号の週刊誌『平凡パンチ』は男性のブリーフ特集だった】 「人新世のパンツ論」。前回はフンドシと森鷗外について書いた(「人新世のパンツ論⑰―特別編II・フンドシと森鷗外の『ヰタ・セクスアリス』」)。 再三繰り返して述べるけ...
映画

映画『Wの悲劇』の悲劇とは

【薬師丸ひろ子主演の映画『Wの悲劇』の劇場用パンフレット】 演劇がやりたいと思い始めたのは、小学6年生になってからで、美内すずえ原作の『ガラスの仮面』(白泉社)のテレビアニメ(杉井ギサブロー監督)の影響がとても大きかった。それは1984年の...
お知らせ

10代の恋愛に関するサイトを立ち上げます

この度、私が独学のテイストで2017年から23年まで運営していたセクシュアリティ教育サイト[男に異存はない。性の話。]を引き継ぐ形で、来年早々、新しく[ティーンズの恋愛]()というウェブサイトを立ち上げることにしました。そのちょっと「前のめ...
文学

大岡信の「言葉の力」

【光村図書の中学国語教科書】 先日私が観た映画『早春物語』(監督は澤井信一郎)の“春の風景”が美しかった。思い起こせばそれは、学生だった頃に体験した、新学年に移行する時期の頼りない不安だったり、友と別れたばかりのさみしい心持ちの写し絵であっ...
映画

遅ればせながら『早春物語』

【映画『早春物語』の当時のパンフレットより】 小学校時代の幼馴染みで、女優・原田知世さんのデビュー当時から彼女の大ファンだった男友達のHは、私と同じ工業高校まで腐れ縁であった。その日々を懐かしく想う。 20代の後半期に差し掛かった頃、別の友...
文学

朝井リョウの『生殖記』はナニを語っていたか

【はい、朝井リョウさんの『生殖記』読み終わりました】 当ブログの今月の投稿「私は朝井リョウの『生殖記』を読み始めるというのか」で予告したとおり、それから程なくして渦中の小説を読了し、今これを書いている。 朝井リョウ著『生殖記』(小学館)。 ...
ビジネス

素晴らしき電子リコピー

イタリアのピエル・パオロ・パゾリーニ(Pier Paolo Pasolini)監督の映画を特集したフィルムアート社の映画雑誌『季刊フィルム』(No.5/1970.3.1)の広告に、リコー社の電子リコピー「BS-320」が掲載されていて、毎度...
映画

ニコラス・レイあちらこちら

【何度でも登場しますが、これが伊丹十三著『ヨーロッパ退屈日記』です】 興奮冷めやらぬまま――。 アメリカ大統領選でトランプ氏が返り咲いた一報が届いたが、そんなことで私が興奮していたのではない。 しかと心得て遠距離恋愛を構えるのなら、人生の全...
文学

私は朝井リョウの『生殖記』を読み始めるというのか

【買ったばかりの『生殖記』。著者は朝井リョウ】 私は作家・朝井リョウが好きである。存在感が好き。作品が好き…。それで済むなら話は早い。ひたすら彼が打ち出す作品を、逐次読み重ねていけばいいだけの話だ。 今月、小学館より10月に刊行されたばかり...
文学

何もかもがわからないということ

【岸本佐知子さんの連載「ネにもつタイプ」より「窓」】 ひょいとそれを読んだら、まるで阿刀田高氏のブラック・ユーモア的なショートショート、あるいは怖い夜話といった感じで、実に摩訶不思議なエッセイだったので、今回は取り上げてみたい。筑摩書房のP...