ベストセラー本『HOW TO SEX』への回帰
文房具
漱石山房にたたずむ
【新宿区立漱石山房記念館】 東京はうららかな日和だった一昨日、今年9月24日に開館したばかりの――とは言いつつ、それから2ヵ月以上経過しているが――「新宿区立漱石山房記念館」(新宿区早稲田南町)を訪れることができた。 振り返れば2年前の...
伊勢佐木町と『はま太郎』のこと
【星羊社の雑誌『はま太郎』第10号】 前回のブログ「演劇『金閣寺』追想」で書いた、横浜・伊勢佐木町のイセビルの地下にあるクリエイティブスペースTHE CAVE。その地下の小スペースで、ぼんやりと見ることのできたエジプト風の壁画。昭和初期に...
空想と本の物語
【2016年11月27日付朝日新聞「折々のことば」】 本に対する愛着を示せ――の答えが、ここにあった。2016年11月27日付朝日新聞のコラム「折々のことば」に挙がった北田博充さんの以下の言葉である。 《空想は現実の反対側にあるものではな...
鶏の画の話
【WWF会報誌『地球のこと』2016年冬号】 年賀状を書く時期になった。来年の干支はトリである。偶然、本を読んでいてニワトリの水彩画を見つけた。こんな感じの絵が描けたら、どんなに気持ちいいだろう――。 トリは鳥ではなく酉、つまり鶏である...
サブ・カルチャー雑誌『ビックリハウス』のこと
【伝説の雑誌『ビックリハウス』1976年1月号】 物心ついた頃に、日曜日になると、地元のK書店に通っていた光景が目に浮かんだ。大方、自分の行動癖は変わらない。自転車を書店の目の前に止め、店頭に並んだ小学館の雑誌「小学○年生」や「めばえ」が...
漱石山房の香り
ちょうど2年前に漱石の『三四郎』を再読して以来、私の部屋は微かにヘリオトロープ(heliotrope)の香りを漂わせている。私の個人的な香りの好みは別として、ヘリオトロープが『三四郎』の小説の中に登場する。 ――三四郎は野々宮さんの家を訪...
駅の伝言板
【昭和40年頃の国鉄古河駅(写真集より)】 夏休み近し――という巷の風情に少しばかり煽られて、子供の頃に読んだ児童文学をいまおもむろに手にしたりする。そうして不思議とその頃の思い出の風景が蘇り、手元の本を閉じたまま夢想したりする。あっけな...
檸檬とカルピスの包み紙
【梶井基次郎『檸檬』(角川文庫)】 筑摩書房の高校国語教科書『新現代文』で梶井基次郎の「檸檬」を読んだ。 この教科書は私が高校時代に使ったものではない。まだ10年前の新しい教科書だ。したがって「檸檬」のあちらこちらには、この教科書の以前...
檸檬と丸善
【筑摩書房の高校国語教科書『新現代文』】 京都がすっかり遠くなった。 私自身、2011年以降の音楽制作がかなり熱を帯びたものになってから、それ以前の〈気が向いたら京都へ〉という自然の思考回路がOFFになってしまっているのである。そんな中...
『洋酒天国』とチョットだけヨ
【『洋酒天国』第47号】 最近、我が『洋酒天国』コレクションをもう少し増強しようかしらん、などと閃いてオークション・サイトを検索してみた。しかし、出回っている“ヨーテン”の出品数の少なさに唖然とし、それもほとんど所有しているものばかりで、...