オフィーリア

文学

草枕―漾わす黒髪

草枕的な。仮初めの旅寝。非人情。  私の身近に、そういう世間観をもって生きる人が、何人か、いまいかいるか。いや、いるような気がする――。  およそ6年ぶりに『草枕』を読んだ。夏目漱石の、明治39年の作である。比較的短篇だから読みやすい。何か...
文学

漱石の『草枕』

※以下は、拙著旧ホームページのテクスト再録([ウェブ茶房Utaro]2008年2月12日付「漱石の『草枕』」より)。  『草枕』読了。漱石初期の小品で、何気ない自然の描写が冴えている。修辞の手本になった。「羊羹」の描写と含蓄が漱石らしく頗る...