古河駅130年と伊勢甚
トリュフォー
映画『サイコ』とラブホの関係
【映画『サイコ』に出演したジャネット・リーとジョン・ギャヴィン。そして監督のアルフレッド・ヒッチコック(右)】 春の夕刻、新宿のとあるショップの前で落ち合った。大きな交差点をわたり、ひしめく雑踏から逸れて、私たちはいくつかのビルを横切って...
『バタアシ金魚』のこと
【映画『バタアシ金魚』のビデオテープ】 私が書いたウェブ小説サイト[架空の演劇の物語]の中で、ある登場人物の住んでいる町として、千葉県の「千城台」(ちしろだい)とした箇所が出てくる。 なぜ「千城台」なのかについての理由の一つは、イングラン...
開高健『開口閉口』―やらされることの美学〈2〉
【映画『ジャッカルの日』で殺し屋ジャッカルを演じたエドワード・フォックス】 前回からの続き。 フランス語にデジャヴュ(déjà-vu)というのがある。まだ見たはずのないものが、さも過去に見たような感覚を呼び起こされることの意で、既視感とか...
トリュフォーの『大人は判ってくれない』
【フランソワ・トリュフォー監督の映画『大人は判ってくれない』DVD】 映画狂の必須アイテムである、フランソワ・トリュフォー著『定本 映画術 ヒッチコック/トリュフォー』(晶文社)が、片田舎の地元の、しかも自宅から5分もかからない所にある小...
紅茶と雑貨の微妙な関係
【吉本由美著『暮しを楽しむ雑貨ブック』(じゃこめてい出版)】 真っ白な朝靄を窓から覗きながら、朝風呂の湯気の白っぽくて曖昧模糊とした空気が溶け出したその時、〈次の休日の午後には、アフタヌーン・ティーが飲みたい〉と思った。中国茶ではなく、珍...
映画『幻魔大戦』―愛と新宿とポカリのパースペクティヴ
【映画『幻魔大戦』のDVD】 17歳の高校生の主人公・東丈(あずまじょう)が、新宿の街の場末でポカリスエットの缶を蹴る――。取るに足らないシーンのようでいて、どういうわけだか私は、それを見て〈これはただ事ではない映画だ〉と感じた。むろん、...
トリスで忙しかった『洋酒天国』
【『洋酒天国』第51号】 秋雨が長く鬱陶しい。かくも長き雨の日が続くと、くさくさしてしまって、本が恋しくなる。映画が恋しくなる――。 手に取った『洋酒天国』第51号には、古今東西の映画の、酒を飲む名場面を列挙した「目で飲んだ名場面」など...