拝啓心霊写真様
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人新世のパンツ論⑮―編集後記・レナウンのワンサカ娘
昨年の11月より開始した「人新世のパンツ論」シリーズは、およそ10か月間、不定期連載を続け、先月14回目の「人新世のパンツ論⑭―最終回・愛しきフンドシは二度ベルを鳴らす」で無事に脱稿することができた。振り返れば、平易なパンツ論でありつつ、少...
岸本佐知子さんのアピヨンポンポン
【『ちくま』2024年9月号より岸本佐知子連載「ネにもつタイプ」】 これを書かずにいると、夜も眠れなくなる――と思ったので、書いておくことにする。 翻訳家でエッセイストの岸本佐知子さんが、筑摩書房のPR誌『ちくま』で「ネにもつタイプ」を...
志賀直哉の『清兵衛と瓢簞』
【志賀文学に初めてふれた「清兵衛と瓢簞」】 全く近頃、志賀直哉の文学作品にぞっこん惚れ込んでしまった――。 彼の掌編「范の犯罪」など、それは見事な文体である。ある若い中国人の奇術師が起こした事故(あるいは事件)から人間省察にいたる筆致は、日...
天才浪曲師・桃中軒雲右衛門
【貴重な雲右衛門の写真がその本に掲載されていた】 前稿「地縛霊 恐怖の心霊写真集」で触れた『地縛霊 恐怖の心霊写真集』の著者である心霊研究家・中岡俊哉氏――。私は中岡氏を以前から、敬愛の念を込めて、“先生”と勝手に称している。 中岡先生...
地縛霊 恐怖の心霊写真集
【昭和55年、大阪のハイキングコースでの心霊写真】 まず冒頭で、恐縮ながら私事を。 先月末、これまで続けてきたツイッターを卒業。斯く斯く然々、各々のフォロワー様にたいへんお世話になった12年間であった。想い出も詰まっている。そうして心機...
『アメリカン・グラフィティ』の夜
【ジョージ・ルーカス監督の映画『アメリカン・グラフィティ』】 つい先日、ロン・ハワード(Ron Howard)監督の1995年のアメリカ映画『アポロ13』(“Apollo 13”)を観たばかりであった。その精緻な演出――時代考証であったり...
早熟だったブルージン・ピエロ
【稲垣潤一の「ブルージン・ピエロ」シングル・レコード】 35年前の、私の中学生時代の回想――演劇部の部長に仄かな恋心を抱き、さだまさしの「軽井沢ホテル」を聴きながら、夢うつつの日々を送っていた――ことは以前書いた(「さだまさしの『軽井沢ホ...
さだまさしの「軽井沢ホテル」
【さだまさしさんの「軽井沢ホテル」EPレコード】 自分の学生時代の頃のことを思い出すのは、身悶えするような切なさを伴う。同じ地べたを踏み歩いてきた幼き頃の自分――というのとは少し感覚が異なって、まったく《異世界》に居た、別人に近い自分に思...
岡本舞子―ファッシネイション
【岡本舞子のアルバム『FASCINATION』】 前回までで、80年代のアイドル、岡本舞子が出演していた1986年のテレビ番組「うるとら7:00」(うるとらセブン・オクロック)と彼女のシングル・レコード「ナツオの恋人ナツコ」のB面「ファッ...
ナツオの恋人ナツコじゃなくて〈前編〉
【岡本舞子「ナツオの恋人ナツコ」のシングル・レコード】 とりとめもなく、昔のアイドルの音楽の話をしたい。少しミステリアスな部分もあって、個人的には頭の片隅に残って妄想が妄想を呼び、消えることがなかったのだけれど――。 そもそもこの話を最...