人新世のパンツ論

写真・カメラ

人新世のパンツ論④―白のブリーフ呪縛

映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』における「紫色のカルバン」の話を前回述べた。 それより以前においても、アメリカの映画で、パンツという従順なアイテムにまつわる、神妙な心のうごめきを覚えた経験がある。【映画『ウォー・ゲーム』の主人公が恥ず...
映画

人新世のパンツ論③―紫から白のブリーフ呪縛へ

零落の奥底から湧いてくる威厳といふものがあるやうに、真裸でゐるといふ事は、仕着を着て行くよりも、人間らしくあるといふのに、更に近いものである。ラム著『エリア随筆』より引用【困惑の時代から目覚めて「白のブリーフ」を着用し始めた2013年(撮影...
性教育

人新世のパンツ論②―パンツは世界を掌握する

そぞろ、夕飯の食材などを買いに、街のスーパーに赴く。 生鮮食品売り場を離れ、男性下着売り場をうろついてみる。〈そうだ、今日はパンツを買っていこう〉。 気がつけば、同世代くらいの女性客(以後マダム)と同じ廉価パンツを物色していた瞬間ほど、生活...
性教育

人新世のパンツ論①―プロローグ

【ヒトはパンツを穿いて成長する】 お気に入りの使い慣れたマグカップでさえ、それが陶器製で硬くて丈夫であっても、いったんヒビが深く入り込むと、〈そろそろ寿命が尽きる頃だな…〉というような感を抱く瞬間がある。こんな話を突然持ち出すのはやぶさかで...
性教育

性の話。を閉じて

【パンツの話はいずれ…やります。。】 私自身が「性について学ぶ」ことを自覚したのは、小学6年生の時の性教育本との出合いであり、ある友達のまばゆい純粋無垢の記憶である。2012年10月16日付の「孤独と神話【補遺】」にそのことを書いている。 ...
美術

赤いパンツの話〈二〉

【ザミラ社の赤いパンツを穿いてアートワークのスチル撮影】 前回の赤いパンツの話の続き。今回は少々深い話で、長い。 たかがパンツ、されどパンツなのである。パンツを侮ること勿れ。パンツ(=アンダーウェア)というものは、穿いている本人と日常生活を...
音楽

浮遊―透明なパンツ、透明な歌声

夏にかけての瓦解、心理的崩落  アルバム『Gの洗礼』のプロダクトは難儀を極めた。頭の中で塗り固められていた施策がいったん崩壊し、心理的空中分解に至った要因は、たった一つの出来事によるものなのかも知れない。それは突然のアクシデントとも言ってい...
演劇

嘘っぱちの世界の共犯者である僕たち―perrotの『雲をたぐって天まで飛ばそう。』

先週の21日、花まる学習会王子小劇場にてperrotの演劇公演『雲をたぐって天まで飛ばそう。』(作・演出はいわもとよしゆき)を観劇。perrotの公演は昨年3月の『今日は砂糖の雨が降るから』以来約1年ぶりであり、前回の公演を私は当ブログ「p...
音楽

靴下とパンツと甚平と『初夏の沐浴』

【夏用の靴下と甚平羽織】 他愛ない一連の夢想から、無意識なる肉体の歓喜によって、音楽の断片が生まれることがある。ありふれた日常の中から、ぽつりと生まれ出た瞬間の、忽然とした所作の子宮的邂逅――。 それはまだ冷え荒んでいた冬の2月のこと。私は...
科学

化石の少年

【ジュラ紀のアンモナイトの化石】 いつだったか急に懐かしくなって、徳島化石研究会会長の鎌田誠一さんがオークションで出品していた、アンモナイトの化石を買って、部屋の飾りものにしていたことがあった。化石がしまわれていた小さな箱には、《ジュラ紀の...