大野一雄

写真・カメラ

細江英公の『シモン・ある私風景』〈2〉

【細江英公『シモン・ある私風景』より荒川放水路・四ツ木橋付近にて四谷シモン】 前回からの続き。細江英公の代表的な作品といえば、1961年の『おとこと女』、63年の三島由紀夫の身体による『薔薇刑』、69年の土方巽がモデルの『鎌鼬』、84年の『...
写真・カメラ

細江英公の『シモン・ある私風景』〈1〉

【細江英公がとらえた四谷シモン。『シモン・ある私風景』より】 昭和の浅草の懐かしい風景写真に眼を奪われていると、そこに四谷シモンがいた――。写真家・細江英公の連作『シモン・ある私風景』(1971年)である。 私はこれまで何度も目にしていたは...
演劇

暗黒舞踏と土方巽

【中谷忠雄写真集『土方巽の舞踏世界』】 1990年代前半、私がまだ20代で演劇に携わっていた頃、役者の基礎稽古やワークショップとして、発声や「マイム」(パントマイム、黙劇)というのは当たり前のように取り入れられていた。「マイム」ではあまり凝...
写真・カメラ

石内都―Infinity∞

【写真集『石内都 Infinity∞ 身体のゆくえ』】 私がトノ・スタノの作品が観たく、『暗がりのあかり チェコ写真の現在展』が催された東京・銀座の資生堂ギャラリーへ訪れたのは、もう6年も前のこと。それは2010年8月であった(当ブログ「暗...
演劇

舞踏への興味、その嗅覚

【2015年1月28日付朝日新聞朝刊】 私はどうも生まれた時からの資質として、一般的に“理解しがたい”ものや事象に、本能的に加担してしまったり、引き寄せられてしまう傾向があるらしい。誰も見ていなかったり、見ようとしないものに対して、私は逆に...