失われた両腕

美術

ミロのヴィーナスと桜の木

比較的暖かな日々が続いた直後の、急激な冬の到来。厚手の上着を着込む。冷気を感じた早朝、子供の頃から見慣れていた桜の大木の、いびつになった形に私はしばし茫然とする。  最近と言えば最近であった。昔からずっとその桜の大木を、私は見続けていた。艶...