學鐙

音楽

音楽というパラダイム

【丸善PR誌『學鐙』夏号】 もともと――という表現がこの場合好ましくないのを承知で、敢えて誤解を怖れずに書くけれども、もともと、ジェリー藤尾さんが1960年代に歌っていた永六輔作詞、中村八大作曲の「遠くへ行きたい」が、この55年もの間、変貌...
文房具

無類なるジュピター鉛筆削

【大正13年発行の丸善小冊子『學鐙』】 数年前、ある若年の知り合いが仕事の昼休みに読書をする姿を、毎日目撃する機会があった。その人が中座することなく真剣に本を睨んでいる様は、もうまったく会話の余地がないほど緊張感に包まれていた。したがってこ...
文学

架構の空間

先日、何気なく手に取った『學鐙』(2012年春号・丸善出版)の中の、隈研吾著「不便な建築」を読んだ。“便利な機械”はあるが“便利な建築”というものはない、という書き出しで始まって、建築家ル・コルビュジエの“住宅は住むための機械である”という...
音楽

グールドと漱石

※以下は、拙著旧ブログのテクスト再録([Kotto Blog]2010年7月16日付「グールドと漱石」より)。  夏は自室にエアコンがないため、扇風機を回しています。私にとって夏の季節は、この扇風機の風と部屋の暑さによって集中できず、あまり...