岡倉天心

書籍

『茶の本』を手にして

もし自分に、「あらゆる書物を捨て、旅に出でよ」と天命が下るとするならば、私は躊躇せず着の身着のままの旅を始めるに違いない。しかし唯一、その天命に抗えることができるならば、私は一冊の本、岡倉天心の『茶の本』を片手に旅を続けることを乞うだろう―...