新宿

演劇

日下武史さんのこと―この生命は誰のもの?

【演劇『この生命は誰のもの?』公演プログラムより①】  今月の15日、俳優の日下武史さんが亡くなられた――。新聞の記事によると、誤嚥性肺炎のため静養先のスペインで死去したという。86歳。  日下さんは劇団四季創設時のメンバーの一人で、演出家...
性教育

『洋酒天国』と温泉お風呂の話〈2〉

【前回から引き続き『洋酒天国』第57号】  前回に引き続き、昭和38年5月発行の『洋酒天国』(洋酒天国社)第57号の紹介。今号は「温泉」&「風呂」大特集。  この特集とは直接関係ないコラム、巻末の「東西バー通信」を読んでまず時代のノスタルジ...
音楽

ナツオの恋人ナツコじゃなくて〈後編〉

【岡本舞子「ナツオの恋人ナツコ」のB面が「ファッシネイション」】  岡本舞子に関する〈前編〉の続きである。こちらは「ファッシネイション」の曲に集中して書いてみたい。彼女のプロフィールにも少し触れておかなければならないだろう。 80年代のアイ...
音楽

浅川マキの歌

【浅川マキ『浅川マキの世界』】  1976年1月号の『ビックリハウス』については、前回書いた(「サブ・カルチャー雑誌『ビックリハウス』のこと」)。私はここで、その号の一般投稿者による、あるエッセイを全文、以下に書き記しておこうと思う。  そ...
写真・カメラ

『洋酒天国』と英国万歳

【『洋酒天国』第14号】  マイ・フェイバリット・コレクション『洋酒天国』のブログ登場もこれまでで35冊を数えた。『洋酒天国』はたいへん古い書物であり、ファンもそれなりに多いこともあって、集めるのには苦労する。我ながらよくぞここまで蒐集した...
ミュージアム

レンブラントを愛した中村彝

いきなり蛇足になるが、昨年の夏、梶井基次郎の「闇の絵巻」を読んでいて、私自身の幼い頃のある記憶が甦ってきたことがあった。  ――虫のざわめきが微かに聞こえる夜。踏切の前で停止する母の自転車の後部に乗っていた幼少の私は、ふと見上げた。踏切の電...
ミュージアム

漱石山房の香り

ちょうど2年前に漱石の『三四郎』を再読して以来、私の部屋は微かにヘリオトロープ(heliotrope)の香りを漂わせている。私の個人的な香りの好みは別として、ヘリオトロープが『三四郎』の小説の中に登場する。  ――三四郎は野々宮さんの家を訪...
ミュージアム

中村屋サロンと中村彝

中村屋サロンと中村彝についての本題に入る前に、新宿東口界隈についての個人的な思い出を記しておく。  中学生の頃――それは昭和60年前後――「トーキョー」と言ったら私の中で「シンジュク」であった。新宿がトレンドであった。というくらい、あの頃は...
スポーツ

『洋酒天国』とユーゴスラビア

【『洋酒天国』第45号】  寒い冬の午後。列車の窓からふと景色を眺めていると、“懐かしい”小学校の校舎とその校庭が見えた。  それは私が卒業した母校の小学校ではなく、小学校高学年の頃、サッカーの練習試合のために自転車遠征で訪れたことのある小...
ミュージアム

下落合のアトリエ

【新宿区立中村彝アトリエ記念館】  先週のこと、「新宿区立中村彝アトリエ記念館」を訪れるため、最寄りのJR目白駅を降りた。  青空が広がり、冬風はそれほどでもなく暖かかった。  目白通りを西へ、下落合三丁目バス停を目印に左折する、はずであっ...