我がツイッター時代のツイートより―『岸辺のアルバム』編
朝日新聞
大阪万博と音響彫刻のこと
【朝日新聞朝刊5月27日付より】 久方ぶりに個人的な“大阪万博”熱が再燃するような、そんな興味深い新聞記事に出合い、そのクラウドファンディングの主旨に賛同し、些かの支援の企てをウェブ上で取り計らった。このネット出資が功を奏するかどうかは現...
『洋酒天国』と温泉お風呂の話〈1〉
【『洋酒天国』第57号】 今宵はヨーテン、洋酒天国。 平素何事にも驚かず、世界の良からぬ事態にそわそわした素振りを見せない21世紀忠誠型タイプの学生、政治家、大富豪でも、昭和のこの“奇作・珍品・珍芸術”には唖然とするであろう。今宵はヨー...
三島文学と『花ざかりの森』
【新潮文庫『花ざかりの森・憂国』】 私にとって2017年を新しく迎えるということは、演劇『金閣寺』に出会うということとほぼ同義であった(演劇『金閣寺』公演については、当ブログ「演劇『金閣寺』追想」参照)。こうした刺戟的な演劇と文学への《邂...
ゴジラというポリティカル・レガシー
【1954年版『ゴジラ』DVD】 去る8月28日、朝日新聞朝刊にゴジラが現れた。編集委員・曽我豪の「日曜に想う」の「ゴジラと保守 破壊と創造」の記事である。その頃熱狂的な評判となっていた映画『シン・ゴジラ』にあやかっての、ゴジラがテーマと...
チチ、カエルの想い出
文化祭シーズンたけなわと言うべきなのだろうか。先日、新聞で茨城県の「県高校総合文化祭」開会式が水戸の県民文化センターでおこなわれたという記事を読んだ。 総合文化祭いわゆる総文祭は、10月から11月にかけて、県内の各高校文化部が水戸市やつく...
サネアツの『友情』
【武者小路実篤『友情・愛と死』角川文庫】 先月末、朝日新聞の記事を読んで武者小路実篤の『友情』をふと思い出した。あまりに長らく忘れ去っていた小説を思い出した、という感がある。武者小路実篤『友情』――。その新聞記事は、「文豪の朗読」を聴くと...
リオ五輪の競泳を応援する私
【『AERA』'16.8.8 No.34】 早いものでロンドン五輪から4年、リオ五輪の夏がやってきた。どれほどスポーツに疎い私であっても、夏季オリンピックの盛大なる祭典の直前の、ゾクゾクした気分というのは少なからず楽しいものである。 小...
恋とK先生と牧野富太郎
【『牧野富太郎 なぜ花は匂うか』(平凡社)】 私が植物学者の牧野富太郎という人を知ったのは、小学4年生の時である。 学校の図書室にあったポプラ社の児童向け伝記全集で、牧野富太郎の本を開いて私は驚いた。そこで見たのは、凄まじい写真であった...
ぼうしと洋書の気儘な買い物を
【朝日新聞朝刊5月8日付、サントリーの広告より】 帽子でおしゃれするという感覚を、身につけていなかった。家族アルバムの中に眠っている自分の幼年期のスナップ写真には、帽子をかぶった姿がいくつかあって、無意識にかぶっていた、かぶらされていたの...
黒田清輝―赤き衣を着たる女
【東博『黒田清輝―日本近代絵画の巨匠』】 先月の19日、上野・東京国立博物館にて『生誕150年 黒田清輝―日本近代絵画の巨匠』を観た。 良く晴れた午前。新緑に満ちた公園を抜けて東博の敷地に入り、ユリノキを見上げたその足で平成館に向かうと...