河出書房

文学

人新世のパンツ論⑭―最終回・愛しきフンドシは二度ベルを鳴らす

【福富織部著『褌』(成光館/昭和2年刊)】  日本人の働き盛りの男性を相手に、フンドシや包茎の話題を持ち出すのはタブーである。とくに女性が若い男性に対して、それらの話を持ち出すならば、たいていの場合怪訝な顔をされて内心嫌われる。どういうこと...
書籍

伴田良輔「天国のフェイマス」

【伴田良輔著『愛の千里眼』(河出文庫)よりエッセイ「天国のフェイマス」】  およそ1年ぶりくらいご無沙汰して、伴田良輔著『愛の千里眼』(河出文庫/1991年初版)を手に取り、読み耽った。きわめて珍しいことなのだけれど、今頃になって、気にも留...
文学

日々の某と「新潮新人賞」の備忘録

【2024年5月2日付朝日新聞朝刊「米大学占拠 学生ら抗議のうねり」】  先日の「小説すばる新人賞」の例に倣って、ここでは「新潮新人賞」の応募規定を備忘録とする。『新潮』(新潮社)2024年7月号に掲載されていた「第57回 新潮新人賞応募規...
性教育

人新世のパンツ論⑧―パンツのモリとエイセイ

【ズバリその通りなのです。とりかえるべきものはパンツと旦那さんかもしれない】  小学4年生だったか、学校の砂場で砂遊びに大変夢中になったことがあった。友達と一緒にエッサホイサと砂を盛り上げ、片方にとんでもない高さの砂山ができ、もう片方は地べ...
文学

シノゴの伴田良輔―ふくよかな「休暇論」

【伴田良輔著『愛の千里眼』のエッセイ「休暇論」】  アーネスト・ヘミングウェイの『移動祝祭日』(“A Moveable Feast”)の本を開くと、こんな文章がある。《もし幸運にも、若者の頃、パリで暮らすことができたなら、その後の人生をどこ...