洋酒天国

書籍

『洋酒天国』とパリの裏通り

【『洋酒天国』第18号】  近頃私はさらに活気づいて“ヨーテン”すなわち『洋酒天国』を読み漁っている。  この本に出会えてありがたい。酒の嗜み方の手引きというだけではなく、壽屋のPR誌的な枠を超えた、あらゆる人文学へのパイプ役となっている。...
スポーツ

『洋酒天国』とユーゴスラビア

【『洋酒天国』第45号】  寒い冬の午後。列車の窓からふと景色を眺めていると、“懐かしい”小学校の校舎とその校庭が見えた。  それは私が卒業した母校の小学校ではなく、小学校高学年の頃、サッカーの練習試合のために自転車遠征で訪れたことのある小...
美術

『洋酒天国』と律儀な真鍋氏

【『洋酒天国』第41号】  いきなりでなんだが、まずは『洋酒天国』の「三行案内」。 《瑞典製スポーツ車サーブ92急譲五人乗銀緑新、機械快調車検35年2月12万電話静岡②XXXX木崎》  いつもながらこの「三行案内」の切り詰め言葉に感心する。...
写真・カメラ

『洋酒天国』とまむし酒の話

【『洋酒天国』第31号】  師走に近づいた。周辺では比較的穏やかな日和が続いて、寒さはそれほどでもない。冬の本番はこれからのようである。  壽屋PR誌『洋酒天国』の第31号(洋酒天国社・昭和33年11月発行)。第31号はこの年の最後の号であ...
演劇

『洋酒天国』と牟田悌三さん

【『洋酒天国』第49号】  日本の戦後というものは、常に酔いっぱなし、酩酊小国だったのではないかと思うことがある。例え話でもなんでもなく、戦後とにかく《酒》を求めて彷徨い呑み続け、せいぜい悪酒=カストリに出合うのが関の山なのだが、まあまあそ...
文学

『洋酒天国』とショート・ショート

【『洋酒天国』第39号】  小雨のぱらつく夜更け、酒を呑みながら小冊子『洋酒天国』(洋酒天国社)を読み耽る。今宵は、昭和34年9月発行の第39号を手に取った。    昭和34年にヒットした歌謡曲と言えば、ペギー葉山さんの「南国土佐を後にして...
飲み物

『洋酒天国』と酒盃のこと

【『洋酒天国』第17号】  ついこのあいだのこと。なんとなく不安な心持ちでありきたりなコップを手に取り、ドボドボと角瓶を流し込んで、ぐいっと口に含んだ時の酒は、後々悪い酔い方をする。  何やらその時は、酔い覚ましにと訳もなくエディット・ピア...
スポーツ

『洋酒天国』とテレヴィジョン

【『洋酒天国』第35号】  『洋酒天国』(洋酒天国社)第35号(昭和34年4月発行)は、テレヴィジョン特集号である。表紙は、その当時の白黒テレビに野球中継の画。背景の球場(後楽園球場?)の広告には、大きな字の“トリスウイスキー”。言うまでも...
書籍

『洋酒天国』と画家の話

作家の司馬遼太郎さんがアイルランドの紀行で、珍しく自身の酒にまつわる言葉を残している。 《私はとくに酒がすきというわけではない。ただ旅先では、一日がおわると、一日の経験を酒に溶かしこんで飲んでおかねば、後日、わすれるような気がしてならない》...
飲み物

『洋酒天国』とペルノー

【『洋酒天国』第44号】  フランソワーズ・サガンの短編小説「かどのキャフェ」で、ペルノーの酒が登場する。――主人公マルクは、医者から肺癌で余命3ヵ月を宣告された。彼は死を怯えた。折り重なる雑多な回想に馳せた後、大通りのかどのキャフェに立ち...