恋は突然に―「オール・アット・ワンス」
洋酒天国
ウミとドクヤクとサガン
【サガン著『絹の瞳』(新潮文庫)】 古書小冊子『洋酒天国』に珍しい遠藤周作訳のフランソワーズ・サガン「イタリーの空」が掲載されていたのを発見して、その“サガンらしくない”男っぷりのある文体にある種の違和感を覚えた私は、すぐさまサガン著の短...
『洋酒天国』とサガン
【『洋酒天国』第28号】 毎度おなじみ小冊子『洋酒天国』(洋酒天国社)。第28号(昭和33年8月刊)で思いがけずフランソワーズ・サガンを読んだ。 その前に。この第28号の表紙はいったい何であろう。インパクトがありすぎる。 常々、“寅さ...
『洋酒天国』とバーボンの話
【『洋酒天国』第29号】 花散らしの風とはよく言ったもので、もうすっかり暖かくなった昼下がり、桜並木のたもとで桜が散り、自動車が通るたびにさらに散った花びらが舞う、という中を、顔に花びらを当てながらのんきに通り過ぎたりして、誠にこの時期は...
『洋酒天国』きだみのる氏の酒
【『洋酒天国』第21号】 うっかりすると、こういう洒脱なエッセイを見逃すことがある。 小冊子『洋酒天国』(洋酒天国社)第21号の巻頭は、きだみのる氏の「私の酒」というエッセイだ。 私はきだみのる氏についてよく知らなかった。人物の経歴を...
『洋酒天国』とステレオの話
【『洋酒天国』第40号】 好きな酒は日本酒とウイスキー。ウイスキーなら“JACK DANIEL'S”のブラック。ほとんどオン・ザ・ロックである。酒の肴は魚でも肉でも野菜でも何でもいいが、カマンベールのチーズか瓶詰めのオリーブがあれば尚良い...
『洋酒天国』と女の話
昭和時代の古い小冊子、『洋酒天国』に関する話題。不定期ながら今後もどしどし書いていく。 【小冊子『洋酒天国』第38号】 『洋酒天国』第38号は、少々趣が違って、「戦後は遠くなりにけり」と題され、特集・戦後15年史となっている。 昭和20...
『洋酒天国』と樽の話
Barrelすなわち「樽」(たる)について書いてみる。 その前に少し脱線するが、樽で思い出すのは、タカラトミーの大ヒット玩具、「黒ひげ危機一発」だ。 これは子供の頃、おもちゃ屋で買ってきてよく遊んだ。単純に思い出すのは、複数人で順番に短...
ピーティーファンさん
【新潮文庫版『開口閉口』】 8年前、とある雑誌の特集がきっかけで、それまであまりよく知らなかった開高健氏の人柄と文学に興味を抱き、『ロマネ・コンティ・一九三五年』(文春文庫)を読んだ。短篇にして圧倒された。それから同じ頃、彼のエッセイ集『...
『洋酒天国』と異邦人
優雅な旅行気分が遠のいて、新幹線のシートで時間つぶしに好きな小冊子を貪る、というありふれた楽しみを、ここ3年ほど、忘れてしまっている。関西へ向かう東海道の車中、窓から見える富士山をちらりと眺め、柔らかな斜光を腕に浴びて日焼けする、あのなんと...
『洋酒天国』と三行案内
【小冊子『洋酒天国』第46号】 昭和30年代に発行されていた酒を嗜む人のための小冊子『洋酒天国』(洋酒天国社)が面白い(「開高健と『洋酒天国』」参照)。 今、こういった系統の雑誌があるのかないのかよく知らない。が、子供の頃、書店で見かけ...