篠原慎

映画

開高健『開口閉口』―やらされることの美学〈2〉

【映画『ジャッカルの日』で殺し屋ジャッカルを演じたエドワード・フォックス】  前回からの続き。 フランス語にデジャヴュ(déjà-vu)というのがある。まだ見たはずのないものが、さも過去に見たような感覚を呼び起こされることの意で、既視感とか...
文学

開高健『開口閉口』―やらされることの美学〈1〉

【清らかな自然に囲まれた山荘より】  ――こんな夢を見た。 人権擁護の活動家である私は、都会の喧騒を離れて、山荘にこもった。 夜な夜な、名前のよく知らない銘柄のスコッチを一杯飲む。すると、じんわりとした温かさが体を包み込んで、疲労感が一気に...