角川映画

映画

映画『Wの悲劇』の悲劇とは

【薬師丸ひろ子主演の映画『Wの悲劇』の劇場用パンフレット】 演劇がやりたいと思い始めたのは、小学6年生になってからで、美内すずえ原作の『ガラスの仮面』(白泉社)のテレビアニメ(杉井ギサブロー監督)の影響がとても大きかった。それは1984年の...
映画

遅ればせながら『早春物語』

【映画『早春物語』の当時のパンフレットより】 小学校時代の幼馴染みで、女優・原田知世さんのデビュー当時から彼女の大ファンだった男友達のHは、私と同じ工業高校まで腐れ縁であった。その日々を懐かしく想う。 20代の後半期に差し掛かった頃、別の友...
映画

映画『人間の証明』―消し去れない過去

先月、幼少期から小中学校にかけて幼馴染みだったある友人のお母さんが、少し前に亡くなった――と聞いた。友人もそのお母さんも、私にとっては少年時代の記憶が生々しく残る、気さくな印象が強かっただけに、〈そうか、我々はもう、そういう宿命的なとしつき...
映画

映画『犬神家の一族』の美と愛

【1976年公開の映画『犬神家の一族』の広告】 ふと、感慨に耽る。私にとって映画を観ることとは、いったいどんな意味があるのか。 それは、最たる嗜好品(=materials)とのふれあいであり、寵愛の対象であり、幻影なるものへのフェティシズム...
映画

映画『幻魔大戦』―愛と新宿とポカリのパースペクティヴ

【映画『幻魔大戦』のDVD】 17歳の高校生の主人公・東丈(あずまじょう)が、新宿の街の場末でポカリスエットの缶を蹴る――。取るに足らないシーンのようでいて、どういうわけだか私は、それを見て〈これはただ事ではない映画だ〉と感じた。むろん、そ...