角川映画

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映画『人間の証明』―消し去れない過去

先月、幼少期から小中学校にかけて幼馴染みだったある友人のお母さんが、少し前に亡くなった――と聞いた。友人もそのお母さんも、私にとっては少年時代の記憶が生々しく残る、気さくな印象が強かっただけに、〈そうか、我々はもう、そういう宿命的なとしつき...
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映画『犬神家の一族』の美と愛

【1976年公開の映画『犬神家の一族』の広告】  ふと、感慨に耽る。私にとって映画を観ることとは、いったいどんな意味があるのか。  それは、最たる嗜好品(=materials)とのふれあいであり、寵愛の対象であり、幻影なるものへのフェティシ...
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映画『幻魔大戦』―愛と新宿とポカリのパースペクティヴ

【映画『幻魔大戦』のDVD】  17歳の高校生の主人公・東丈(あずまじょう)が、新宿の街の場末でポカリスエットの缶を蹴る――。取るに足らないシーンのようでいて、どういうわけだか私は、それを見て〈これはただ事ではない映画だ〉と感じた。むろん、...