※以下は、拙著旧ブログのテクスト再録([Kotto Blog]2010年3月20日付「To You Letter?」より)。
以前、『カメラ日和』の紹介記事より、“紙モノ”のデザイナー、青山剛士さんと青山吏枝さんの存在を知りました。「drop around」のjournalブログは随時読ませていただき、“紙モノ”について興味を深めています。
個人的には私も《紙》が大好きで、読書の際は紙の「質感」を指先でインプットしながら黙読し、ページを開く度に広がる紙の匂いも鼻からインプットされています。この紙の質感の手触りと、それぞれの発行書店が知恵を盛り込んだ書体の美しさ、その印刷具合などが加味されて、私の脳内で“本が好き!”という刺激的電流が走り抜けるわけです。
かつて、買い物袋と言えば、《紙》でした。子供の頃、魚屋さんで魚を買うと、新聞紙にくるみ、鯖なら「サバ」、鰺なら「アジ」とマジックインキで中身がわかるよう書いてもらって渡された記憶があります。肉屋でコロッケやフライを買っても、新聞紙にくるまれました。その新聞紙の匂いと揚げ物の油の匂いとが融合し、その匂いを嗅ぐと、とてつもなく美味しいモノがくるまれているような感じがしたのです。
90年代中頃以降、既に“E-mail”は流行っていたと思うのですが、まだまだ私は知り合いの人と「手紙」を交換していました。面白いことに、ワープロで草稿を書き、それを印刷しておいて、それを見ながら自筆で手紙を清書した、のです。
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