人新世のパンツ論⑨―日本男児の終焉とスーパーな昭和50年代
時事
桜―心ざわめく
【上野動物園前の桜の木】 この時期の上野公園では、恒例の“桜イベント”で盛り上がる。「東京・春・音楽祭」では多彩な音楽演奏会が催され、まさに心が桜色に染まる。先月末の土日では、私の好きなサン=サーンスの「動物の謝肉祭」を絡めた「動物たちの...
赤瀬川原平さんと写真の話
【赤瀬川さんに影響されて買ってしまったバルナック型ライカ】 赤瀬川原平さんが亡くなった。 文庫本ではない単行本の方の、尾辻克彦名義の『ライカ同盟』(講談社)が懐かしい。バルナック型ライカの線画、ライカのトレードマークである赤丸が印象的で...
YELLOWS RESTARTのこと
【五味彬氏の写真集『YELLOWS RESTART 1999』】 当ブログを自ら眺めているうち、またあの“YELLOWS”が気になりだした。写真家・五味彬氏の写真集“YELLOWS”シリーズについては、これまで1年ごとに書いていることにな...
『Mother』のこと
【宮崎雅子写真集『Mother』(医学書院)】 拙い私の、「東京マタニティ」という歌の構想、及びその作詞・作曲のために、私はいくつかの書籍を読むしか創作の手段がなかった。 男を失い、わたし独りで子供を産みたい――と願うその女の心情を、魂...
漱石本―津田青楓装幀の画
【大正6年の『色鳥』。津田青楓装幀】 今年の7月末、新潮文庫版の漱石『こころ』が、累計発行部数700万部を突破した、という。同書の1952年刊行以来、186刷701万500部を超え、新潮文庫としては歴代1位の発行部数となったらしい。 朝...
『洋酒天国』とテレヴィジョン
【『洋酒天国』第35号】 『洋酒天国』(洋酒天国社)第35号(昭和34年4月発行)は、テレヴィジョン特集号である。表紙は、その当時の白黒テレビに野球中継の画。背景の球場(後楽園球場?)の広告には、大きな字の“トリスウイスキー”。言うまでも...
秘密を覚える年頃
【箱根で買った秘密箱】 ついこの前、Amazonで箱根名産の寄木細工を偶然閲覧していて、あるテクストに気づいた。〈21回仕掛けのひみつ箱ですが、さらに1回の隠し部屋があります〉。 あれは確か私が小学生の時、箱根への修学旅行の土産に自ら買...
『洋酒天国』と女の話
昭和時代の古い小冊子、『洋酒天国』に関する話題。不定期ながら今後もどしどし書いていく。 【小冊子『洋酒天国』第38号】 『洋酒天国』第38号は、少々趣が違って、「戦後は遠くなりにけり」と題され、特集・戦後15年史となっている。 昭和20...
ポール・マッカートニー~サウンドの啓示
【1990年ワールド・ツアー向け小冊子】 私が小学校を卒業したのは1985年(昭和60年)で、おそらく前年の1984年頃までに、日本でカラオケ・大ブームがあった、と記憶している。子供の目線から見ても、歌謡界は花盛りであった。 当時、いわ...
イッピーの女
72年生まれの私にとって、“1970年”という年は未知なる憧憬度の濃い年である。 大阪万博のあった年――というのは幼い頃からだいぶ擦り込まれていて、高校時代の数学の先生からは、それとは裏腹に、“よど号ハイジャック事件”の話を何度も聞かされ...