パリ

書籍

トリスで忙しかった『洋酒天国』

【『洋酒天国』第51号】 秋雨が長く鬱陶しい。かくも長き雨の日が続くと、くさくさしてしまって、本が恋しくなる。映画が恋しくなる――。 手に取った『洋酒天国』第51号には、古今東西の映画の、酒を飲む名場面を列挙した「目で飲んだ名場面」などとい...
写真・カメラ

眠る人―ニュートンの『Pola Woman』

【ヘルムート・ニュートンのポラ写真集『Pola Woman』】 ニュートンと言っても、アイザック・ニュートンのことではない。ベルリン出身の写真家ヘルムート・ニュートン(Helmut Newton)のことである。彼は1950年代後半以降、ファ...
飲み物

『洋酒天国』と英国万歳

【『洋酒天国』第14号】 マイ・フェイバリット・コレクション『洋酒天国』のブログ登場もこれまでで35冊を数えた。『洋酒天国』はたいへん古い書物であり、ファンもそれなりに多いこともあって、集めるのには苦労する。我ながらよくぞここまで蒐集したも...
写真・カメラ

マン・レイとジョンヴェル

【別冊宝島『現代写真・入門』】 家電量販店で買った二束三文のコンパクトカメラで手短な被写体を写し、35mmフィルム撮影を楽しんでいた20代前半。もともと写真が好きであった。次第にコンパクトカメラ特有の弱点、パララックスの壁にぶち当たり、なん...
映画

『洋酒天国』と観賞用男性

【『洋酒天国』第42号。フランキー堺さん】 『洋酒天国』(洋酒天国社)第42号は昭和34年12月発行。  これまで当ブログで紹介してきた“ヨーテン”コレクションも、そろそろちびりちびりとなってきた感がある。つまり残すところ、未紹介冊数も僅か...
文学

『洋酒天国』とパリの饒舌

【『洋酒天国』第25号】 前回の第26号で高円寺のトリスバーについて触れたが、同様にして今号には、“トリスバー 港”のゴム印が押されてある。豊島区池袋の2-1、144番地と所在地も明確で、あの時代のトリスバーの痕跡記録としてここに明示してお...
写真・カメラ

『洋酒天国』とチラリパチリの話

【『洋酒天国』第15号。表紙は山崎隆夫作】 ブルターニュ古諺《パンと酒(ヴァン)なくてなんのおのれが恋かな》で始まる『洋酒天国』(洋酒天国社)第15号は、昭和32年7月発行。酒の瓶をモチーフにした表紙のイラストは、サン・アドの元社長、山崎隆...
書籍

『洋酒天国』とパリの裏通り

【『洋酒天国』第18号】 近頃私はさらに活気づいて“ヨーテン”すなわち『洋酒天国』を読み漁っている。 この本に出会えてありがたい。酒の嗜み方の手引きというだけではなく、壽屋のPR誌的な枠を超えた、あらゆる人文学へのパイプ役となっている。今と...
音楽

関心がなかったマズルカ

個人の音楽的影響――その源流を探ることは、非常に面白い作業である。しばしこのブログでもそれを試みている。 実は同じ観点でジョン・コルトレーンの「IMPRESSIONS」について書こうと思ったのだが、参考までに“ある本”を読んでいるうちに、私...
飲み物

『洋酒天国』とまむし酒の話

【『洋酒天国』第31号】 師走に近づいた。周辺では比較的穏やかな日和が続いて、寒さはそれほどでもない。冬の本番はこれからのようである。  壽屋PR誌『洋酒天国』の第31号(洋酒天国社・昭和33年11月発行)。第31号はこの年の最後の号である...