書を捨てよ町へ出よう

美術

人新世のパンツ論⑬―腰パンとステテコの話

前回の危険な雰囲気から逃れて、今回の「人新世のパンツ論」は、平易な地平の、日常的な趣に心を溶かし込みたい。パンツの身だしなみとおしゃれを追求するテーマである。  こうした私の素朴な試みを応援してくれる友は、文芸の中にこそあった。朝日新聞の「...
科学

人新世とウイスキーと『化石入門』

【人類の偉大なるレガシーは酒を造ること。私が好きなのはバルヴェニー】  メジャーリーグの大谷翔平についてはよく知っている。でも長嶋茂雄や王貞治は名前だけしか知らない…。野球ファンであろうと、Z世代ではありがちなことである。いや、若い世代にか...
性教育

人新世のパンツ論⑨―日本男児の終焉とスーパーな昭和50年代

【かつて長崎屋で販売されていたスーパービキニタイプのブリーフを入手】  かつて衣料品の流通販売で活況を呈していたスーパーマーケットの長崎屋(※屋号のロゴ表記は長﨑屋)の、スーパービキニタイプのブリーフを入手した。その「サンバード」という独自...
音楽

寺山修司が語る音楽とエロス

【1983年刊、サントリー音楽叢書③『エロス in Music』】  個人的にここしばらく文学や演劇に関しては、寺山修司に着目し、その周縁の人々や作品に没頭していたいと思った。ごく最近知り得たのは、寺山修司がエロス(肉欲から通ずる愛。性愛)...
文学

寺山修司の『青年よ大尻を抱け』〈二〉

【前回に続いて寺山修司の「青年よ大尻を抱け」】  前回からの続き。寺山修司著『書を捨てよ、町へ出よう』(角川文庫)「青年よ大尻を抱け」。  女性が感じるところの、「男性の性的魅力」に関する手痛い理屈は、単に、〈もっと大きなタマの持ち主になっ...
文学

寺山修司の『青年よ大尻を抱け』〈一〉

【Nittakuの卓球ボール。公認球】 《いまの男の子たちって、ピンポン・ジェネレーションね》  ピンポンって、《タマが小さいでしょう》。  寺山修司著『書を捨てよ、町へ出よう』(角川文庫)の「青年よ大尻を抱け」の冒頭は、いきなり、タマの話...
文学

寺山修司―三分三十秒の賭博とアスファルト・ジャングル

【寺山修司の『書を捨てよ、町へ出よう』角川文庫】  今年に入って、寺山修司の文筆と映像の世界にどっぷりと浸かり始めた。この世界の、至る所から漂う臭気とは、いったい何か――。それは決して花の香りでも、柑橘系の香りでも、ない。乾いた土に雨が降り...
写真・カメラ

ぐだぐだと、寺山修司と新宿風月堂の話

【福島菊次郎の写真集より60年代の新宿風月堂】  新宿…シンジュク…Shinjuku――と、かの時代の新宿に思いを馳せてみる。1960年代から70年代にかけての新宿。その頃私はまだ生まれていなかったから、1980年代以前の新宿の空気を知らな...