羅生門

映画

伊丹十三の『ヨーロッパ退屈日記』と北京籠城

【ニコラス・レイ監督の映画『北京の五十五日』】 映画『お葬式』や『マルサの女』で知られる監督・伊丹十三氏は、俳優でありデザイナーであり、根っからのエッセイストである。かつて壽屋(現サントリー)のPR誌『洋酒天国』(昭和38年1月刊の第56号...
文学

芥川龍之介の『蜜柑』を読んで

【筑摩書房の芥川龍之介全集より『蜜柑』】 芥川龍之介という人の作品は、それこそ太宰治と同じくこぞって学生に読まれやすい性質がある。この知名度の大きさは、作家にとって、いや作家とその作品を十分に理解する上で、ある種の先入観に侵されやしないか。...
文学

漱石と読書感想文

一纏めに、私が学生時代(小学校から専門学校まで)に書いた、学校提出作文としての読書感想文について記憶をたどってみた。  小学校での、夏休みの宿題として提出を要求される読書感想文にはそれなりに風情があった。――夏休みの期間中、学校指定の本(文...
旅行

カフェと京都と散歩

※以下は、拙著旧ホームページのテクスト再録([ウェブ茶房Utaro]2004年6月10日付「カフェと京都と散歩」より)。 東京から京都へ  私は17年前に、修学旅行で京都を訪れている。つまり、あれから17年後に再び京都を訪れたことになる。だ...