映画『人間の証明』―消し去れない過去
野球
造形憧憬
【『原色学習図解百科』第10巻「新しい造形と美術」】 幼児教育されているという感覚は、当の幼児にはなかった。そこに広がっていた「世界」は、視覚としての娯楽、聴覚としての豊かな娯楽であった。親から与えられたわけではなく、団地の家の中を徘徊し...
『洋酒天国』と温泉お風呂の話〈2〉
【前回から引き続き『洋酒天国』第57号】 前回に引き続き、昭和38年5月発行の『洋酒天国』(洋酒天国社)第57号の紹介。今号は「温泉」&「風呂」大特集。 この特集とは直接関係ないコラム、巻末の「東西バー通信」を読んでまず時代のノスタルジ...
『洋酒天国』と野球が俺を呼んでいる
【『洋酒天国』第48号】 当ブログで数多く紹介している“ヨーテン”コレクション。かつての壽屋PR誌『洋酒天国』(洋酒天国社)の本。今回の昭和35年8月発行の第48号は、私にとって鬼門中の鬼門の号。何故なら…。 理由はしごく簡単。この号は...
漱石『こころ』の身体性について
【夏目漱石『こころ』】 夏目漱石の小説を読み終えると、いつも雑駁とした気持ちに駆られる。様々な思念が頭をよぎりすぎて、判別しがたい感情の複雑な振幅にしばしの眩暈を覚える。 最初の眩暈こそ、高校時代に読んだ漱石の『こゝろ』(以下『こころ』...
公園と上野大仏
【上野大仏の顔面レリーフ】 漱石の小説を読んでいて、“精養軒”という言葉にぶつかる。『三四郎』では、そこが一つの場面となっている。 《與次郎が勧めるので、三四郎はとうとう精養軒の会へ出た》 (夏目漱石著『三四郎』(岩波書店)より引用) ...
『洋酒天国』とテレヴィジョン
【『洋酒天国』第35号】 『洋酒天国』(洋酒天国社)第35号(昭和34年4月発行)は、テレヴィジョン特集号である。表紙は、その当時の白黒テレビに野球中継の画。背景の球場(後楽園球場?)の広告には、大きな字の“トリスウイスキー”。言うまでも...
AERAと小橋建太
【週刊誌『AERA』の1ページを飾った小橋建太】 去る6月10日。書店に並んだ週刊誌『AERA』の表紙を飾ったのは、剥き出しの粗いピクセル画の本田圭佑選手で、《本田「世界一」への道》というワードがひっそりと明朝体で加えられていた。 もち...
ロックの犬
【ロックの犬】 それは日本がバブル経済真っ只中で、いよいよそれが崩壊を迎える直前の頃。 高校野球の県大会があり、全校生徒が大型バスに乗って数十キロ先の会場へと出発した(当ブログ「蛙の夜回り」参照)。 クラス毎に乗り分けられたそれぞれの...
蛙の夜回り
【土浦市営球場の手動式スコアボード(卒業アルバムより)】 春の高校野球のシーズンでメディアは沸き立っているが、野球音痴の私には、“野球”(あるいは“Baseball”)と聞いてあまり心ときめくものがない。そんな私でも時には、ある種の懐かし...
チェリャビンスクの町を襲った隕石
怖いイラストに怯えながら読んだ『宇宙と星のふしぎ』 昭和50年代、小学生の頃に通い詰めた書店の児童書のコーナーには、あるいくつかのシリーズ本で埋め尽くされていた。学研の図鑑シリーズや小学館の学習百科図鑑シリーズ。他にも小学館コロタン文庫シ...