我がジミー・スミス!

※以下は、拙著旧ブログのテクスト再録([Kotto Blog]2009年12月21日付「我がジミー・スミス!」より)。

ジミースミス「MIDNIGHT SPECIAL」
FF13にはまりっぱなしの若者にはまるで素っ頓狂な話になりますが、「大人」というのは自分だけの空間を持ちたいもの。私の叶わぬ夢は、どこかのワンルームにPA用のラージスピーカーと真空管アンプを据え置き、ジミー・スミスのオルガンを聴きながら、据え置かれたビンテージのピンボールを楽しむというもの。ボルドーのワインを飲みながら…。
 部屋いっぱいに彼のジャズを鳴り響かせることはできますが、ピンボールを据え置くというのはちょっと無謀です(笑)。しかしそれにしても、ジミー・スミスのオルガンが絶妙なほどピンボールのプレイのBGMに合うのは、どういった理由なのでしょう。
 ともかく、叶わぬ夢を少しでも実現させようということで、Windowsのソフトウェアからリストアップしてピンボール・ゲームを探しているのですが、さてどうなるか。
 閑話休題。エンジニアであるルディ・ヴァン・ゲルダーについて詳しく知っている方に是非とも訊いてみたいことがあります。
 中山康樹著『超ブルーノート入門完結編―4000番台の至福』(集英社新書)の中で書かれてあること。4005番の『HOLIDAY FOR SKINS VOL.2/ART BLAKEY』のページですが、ルディ・ヴァン・ゲルダーが1本のテープからステレオとモノラルの2つのミックスをつくった際、スタジオには1本のスピーカーしかなかったと書いてある。
 結局、私は彼のレコーディングのすべてを知りたいのだけれども、彼がどのようなセッティングを行い、どのような音場をつくり上げようとしたか、それはステレオとモノラルそれぞれのミックスでどう解釈されたのか、大変興味深く、また謎めいています。
 ブルーノートをすべて聴け! という答え以外到達しようがないのかもしれませんが、少しでもレコーディングを知っている者なら、1本のスピーカーでステレオミックスをつくることが、いかに荒唐無稽であるかがわかり、またそれはいかに神業であるかがわかると思います。(オシロ使うのかな…というのが私の勘。)
 私にとってはブルース・スウェディンを研究するより面白い研究になるはず、と確信しています。

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