※以下は、拙著旧ブログのテクスト再録([Kotto Blog]2011年8月28日付「聖者の行進」より)。
ここ最近、1986年頃に発売された音楽CDを集中的に聴いたりしています。アナログソースをデジタル情報に置き換えるコンバーターの技術がまだ未成熟であったため、現在のCDよりも遙かに音が悪い――という仮説が本当かどうか自分の耳で確かめてみよう、というわけです。
私がその頃に購入したCDでは、コロンビア交響楽団ブルーノ・ワルター指揮のベートーヴェン「英雄」だとか、キャスリーン・バトルが神妙に歌い込めるモーツァルトのアリア集などがあるのですが、現在の再生装置(CDプレーヤーにおけるD/Aコンバーター)が当時よりも優秀であるため、あの頃自分の耳で聴いていたCDサウンドを、厳密に再生することは、もはや不可能なのです。
当ブログの「レコードを買う」では、自分が初めて揃えたCDプレーヤーについて言及しています。それを「中学1年か2年の頃」としているものの、どうもそれは記憶違いのようだ、と気づきました。少なくとも中学1年つまり1985年は絶対あり得ないし、中学2年の後半まではレコードやカセットテープ(アルバムもの)を普通に買っていたから、秋葉原でCDプレーヤーを購入して、ディスクを買い始めたのは中学3年に近い頃(1987年)であるはずです。
追伸。
幼年時代に「さらばジャマイカ」や「バナナ・ボート」を聴いていなかったら、その後ブラック・ミュージックに傾倒することはなかったであろうハリー・ベラフォンテという存在。ところで、個人的に非常に奇妙な因縁になるのですが、いソノてルヲ先生に教えられて購入したマヘリア・ジャクソンのBOXCDの封入ライナーノーツには、その因縁の写真があります。
アメリカ大統領ジョン・F・ケネディ就任に伴うパーティのワンショット。マヘリア・ジャクソンとハリー・ベラフォンテが仲良く並んで、レナード・バーンスタインと向き合っている和やかな瞬間――。
ハリー・ベラフォンテが歌う曲で私がお気に入りなのは、「When The Saints Go Marching In」。
ギター用のアンプリファイアでヴォーカルをダブリングさせたと思える、ハリーの分厚くパワーのある歌声。一方のマヘリアも同曲を歌っており、それぞれの音楽畠の微妙な差異や同じソウルである部分が窺え、こうした奇妙な因縁のありがたみを感じました。
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