朝井リョウの『生殖記』はナニを語っていたか
文房具
日々の某と「新潮新人賞」の備忘録
【2024年5月2日付朝日新聞朝刊「米大学占拠 学生ら抗議のうねり」】 先日の「小説すばる新人賞」の例に倣って、ここでは「新潮新人賞」の応募規定を備忘録とする。『新潮』(新潮社)2024年7月号に掲載されていた「第57回 新潮新人賞応募規...
日本語と日本語入力のことなど
先日の「ブログURL変更のお知らせ」の通り、サーバー移行により、新機軸の様を呈した形となっている当文芸ブログ[Utaro Notes]。その新投稿最初のテーマは、やはり、それに関わる「日本語」と「日本語入力」…
円を描く随想
【イラレで描いたルーローの三角形(中央部)】 先日、ある医院で新型コロナ(COVID-19)のワクチン接種をした際、看護師さんが私の左腕に貼り付けた絆創膏は、およそ1cm角の正方形に中央の丸い円の形をした不織布製パッドの付いたものであった。...
紅茶と雑貨の微妙な関係
【吉本由美著『暮しを楽しむ雑貨ブック』(じゃこめてい出版)】 真っ白な朝靄を窓から覗きながら、朝風呂の湯気の白っぽくて曖昧模糊とした空気が溶け出したその時、〈次の休日の午後には、アフタヌーン・ティーが飲みたい〉と思った。中国茶ではなく、珍...
さようならヨーカドー
【イトーヨーカドーのゲームコーナーのモグラ叩き】 かなり思い出の詰まった“ローカル”な話――。去る2月17日、わが地元の市民に長年愛されてきた総合スーパー「イトーヨーカドー古河店」(茨城県古河市雷電町)が惜しまれて閉店。知り合いに聞けば、...
チュリッカ・チュリー!―オザケンのハロウィーン
【小沢健二と日米恐怖学会『アイスクリームが溶けてしまう前に』】 子供の頃のハロウィーン(Halloween)の想い出なんかない。ハロウィーンは古代ケルトの起源で万聖節の前夜祭――なんていう話も、子供の頃に聞いたことがなかった。ただ一度だけ...
京都へ―二条城と天龍寺の庫裏〈二〉
【二条城の二の丸御殿のあたり】 前回〈一〉からの続き。 今にも雨が降り出しそうな曇り空だった4月17日の午後。二条城。観覧の順路に従って、私は二の丸庭園から東橋を渡って本丸櫓門をくぐり、本丸庭園を鑑賞した。この庭園の風雅なよすがは、中学...
京都へ―二条城と天龍寺の庫裏〈一〉
【二条城の外堀。東南隅櫓】 鳩居堂の話の次は、二条城である。二条城へは、地下鉄東西線の烏丸御池駅から一つ目の駅、二条城前駅で降りた。慶長8年(1603年)に徳川家康が築城。264年後の慶応3年(1867年)には、江戸幕府15代将軍の慶喜が...
京都へ―8年ぶりの鳩居堂
【旅の目的の半分は京都鳩居堂本店を訪れること】 4月17日、京都の街をぶらり散策した。お目当ては、鳩居堂本店と二条城を訪れること。日中のあいにくの曇り空から夕刻には雨が降り出したこの日、別段、私の心には、それを憂う気持ちはなかった。天候な...
羊羹と『草枕』と私
【何度も読み耽っている漱石の『草枕』】 風邪をひいていたから、この前漱石山房記念館を訪れた序で、神楽坂の“物理学校”に寄ることができなかった。悔しい。“物理学校”と言えば、『坊っちゃん』の坊っちゃんである。坊っちゃんは東京物理学校出身で、...