チューリッヒ

演劇

「聴く演劇」のニヒルなリアリズム

【2020年1月9日付朝日新聞夕刊「耳澄ます演劇がもたらす再認識」】 演劇にまつわる“個人的なこと”を先に書いてしまおう。 2015年頃より、《舞踏》という形態に関心が及んで、その資料の一環として、ベルリンの演出家で振付家であるサシャ・ヴァ...
文学

薩摩治郎八と藤田嗣治の『洋酒天国』

【『洋酒天国』第10号の表紙】 ご無沙汰いたしておりました。ヨーテンこと『洋酒天国』の話題です…。振り返ると前回は、今年の1月末の「八十頁世界一周の『洋酒天国』」。パリか、ニューヨークか――で閉じていた。あれから半年、せっせとなんとか不足分...
文学

リルケの駆け落ち話

【またもや登場の高校国語教科書『新現代文』】 馴染みの薄い作家を読むと、ゾクゾクとするものを感じる。 この場合の馴染みが薄いとは、存在を知っていながらもわざと遠慮して、理解を恐れ読まずにいた、という意である。  以前ここで書いたことのある梶...