ヘアー

文学

開高健『開口閉口』―アリ釣りとオスとメスの話

【開高健著【開口閉口】(新潮文庫)】  ――こんな夢を見た。 人権擁護の活動家である私は、都会の喧騒を離れて、ある山荘にこもった。夜な夜な、スコッチの後に、オールド・トム・ジンをベースにしたトム・コリンズのカクテルを一杯飲む。かけているレコ...
映画

伊丹十三の『ヨーロッパ退屈日記』と北京籠城

【ニコラス・レイ監督の映画『北京の五十五日』】  映画『お葬式』や『マルサの女』で知られる監督・伊丹十三氏は、俳優でありデザイナーであり、根っからのエッセイストである。かつて壽屋(現サントリー)のPR誌『洋酒天国』(昭和38年1月刊の第56...
音楽

寺山修司が語る音楽とエロス

【1983年刊、サントリー音楽叢書③『エロス in Music』】  個人的にここしばらく文学や演劇に関しては、寺山修司に着目し、その周縁の人々や作品に没頭していたいと思った。ごく最近知り得たのは、寺山修司がエロス(肉欲から通ずる愛。性愛)...
映画

映画『ヘアー』のこと

【映画『ヘアー』ブルーレイ版】  幼心にも“センソウ”だとか“フンソウ”という言葉が、何か暗いどんよりとした嫌な言葉であることを、ベトナム戦争の(政治的にはパリ協定後の)時々刻々を伝えるテレビ報道のアナウンサーの口調から感受した、と言えるか...