いソノてルヲ先生―わが青春の日々
ロンドン
ニコラス・レイあちらこちら
【何度でも登場しますが、これが伊丹十三著『ヨーロッパ退屈日記』です】 興奮冷めやらぬまま――。 アメリカ大統領選でトランプ氏が返り咲いた一報が届いたが、そんなことで私が興奮していたのではない。 しかと心得て遠距離恋愛を構えるのなら、人生の...
開高健『開口閉口』―やらされることの美学〈2〉
【映画『ジャッカルの日』で殺し屋ジャッカルを演じたエドワード・フォックス】 前回からの続き。 フランス語にデジャヴュ(déjà-vu)というのがある。まだ見たはずのないものが、さも過去に見たような感覚を呼び起こされることの意で、既視感とか...
ストーンヘンジに人々は集まった
【ストーンヘンジでは秋分の日に人々が集まってお祝い事をするんだって?】 子どもの頃、英国ソールズベリーのストーンヘンジ(Stonehenge)が好きだった。そのことを先月、「ストーンヘンジに魅了されていた頃」で書き綴った。 その稿では、ス...
漱石山房にたたずむ
【新宿区立漱石山房記念館】 東京はうららかな日和だった一昨日、今年9月24日に開館したばかりの――とは言いつつ、それから2ヵ月以上経過しているが――「新宿区立漱石山房記念館」(新宿区早稲田南町)を訪れることができた。 振り返れば2年前の...
ごきげんよう『洋酒天国』
【これが当ブログ最後の『洋酒天国』第13号】 当ブログ2011年7月12日付「開高健と『洋酒天国』」で初めて私がヨーテンについて触れたのをきっかけに、それから1年以上経過した2013年9月26日「『洋酒天国』と三行案内」から不定期という形...
漱石山房の香り
ちょうど2年前に漱石の『三四郎』を再読して以来、私の部屋は微かにヘリオトロープ(heliotrope)の香りを漂わせている。私の個人的な香りの好みは別として、ヘリオトロープが『三四郎』の小説の中に登場する。 ――三四郎は野々宮さんの家を訪...
リョウくん、オートミールだってよ
【これがあのQUAKER OATS】 この夜、私は東広島市西条の酒、「賀茂鶴」をぐいと飲み干した。 そうしてとろりとした触感で舌をよく馴染ませ、私は次に試みる食品を口に含ませた――。もし酒を一滴も飲まずにほろ酔いゼロでこの食品を口に含ん...
再び『愛蘭土紀行』
幼少の頃よく聴いていたクラシック・レコードのジャケットやら解説のたぐいの写真などで、ロンドンを行進する軍楽隊の、その赤色と黒色の調和の取れた服装であるとか、別の写真におけるパリかどこかの街の、とある市民がフランスパンをハトロンの紙袋に包んで...
クリスマス・プディングの話
※以下は、拙著旧ブログのテクスト再録([Kotto Blog]2011年2月12日付「クリスマス・プディングの話」より)。 今日、『青年小泉信三の日記』(慶應義塾大学出版会)を買い求めました。明治44年から大正3年までの、欧州留学時代の日...