伴田良輔

写真・カメラ

伴田良輔『眼の楽園』―モーテルという享楽

【またもや登場。伴田良輔著『眼の楽園』】 人々の内に秘めた猥雑さを剥ぎ取ってしまったもの、それがパンデミックのコロナ禍(COVID-19)だ。コロナ禍が、あらゆる想念の《旅愁》すら消し去ってしまった。 それを取り戻すのに、およそどれだけの無...
文学

ブルーな春の星を書き替える

【たぶん私はこの本をなにがなんでも手放さないと思う】 ライ麦パンにイタリアンチーズをのっけて食べるところから始めようか。そうでないなら、ジェイ・マキナニー(Jay McInerney)のオフィスにある、コーヒーショップでテイクアウトしたコー...
書籍

伴田良輔「天国のフェイマス」

【伴田良輔著『愛の千里眼』(河出文庫)よりエッセイ「天国のフェイマス」】 およそ1年ぶりくらいご無沙汰して、伴田良輔著『愛の千里眼』(河出文庫/1991年初版)を手に取り、読み耽った。きわめて珍しいことなのだけれど、今頃になって、気にも留め...
文学

日々の某と「新潮新人賞」の備忘録

【2024年5月2日付朝日新聞朝刊「米大学占拠 学生ら抗議のうねり」】 先日の「小説すばる新人賞」の例に倣って、ここでは「新潮新人賞」の応募規定を備忘録とする。『新潮』(新潮社)2024年7月号に掲載されていた「第57回 新潮新人賞応募規定...
映画

人新世のパンツ論⑦―ラグジュアリーなランジェリー

【伴田良輔著『UNDER WEARS』よりJeanloup Sieffのフォト作品】 黒のレース地に驕奢な蔓草模様がふちどられたランジェリーへの夢は、肉体を艷やかに彩り、昼夜の境界なく当て所もない愛と欲望の路地裏に彷徨うだろう。下着とは、人...
映画

伴田良輔の『眼の楽園』―バラとデイヴィッド・リンチ

伴田良輔著『眼の楽園』「薔薇と雲」におけるバラの花とリンチの映画について。
文学

伴田良輔の「筋肉質のキューピッド」

【伴田良輔著『愛の千里眼』「筋肉質のキューピッド」】 90年代に遡って、河出文庫(河出書房新社)の“日本文学”に類する出版目録を調べてみると、さすがにわが国の一癖ある名うての文庫ということもあって、澁澤龍彦の『エロスの解剖』や『華やかな食物...
文学

伴田良輔の『眼の楽園』―最後尾の美学

【伴田良輔著『眼の楽園』を開けば、そこには美しい女がいた…】 「悪貨は良貨を駆逐する」という言葉がある。グレシャムの法則と、辞書に出ている。 私がこの言葉を知ったのは、司馬遼太郎著『愛蘭土紀行Ⅰ』(朝日新聞社)であった。司馬さんは、学校の英...
文学

伊丹十三の『ヨーロッパ退屈日記』とペタンク

【伊丹十三『ヨーロッパ退屈日記』より「ペタンクと焙り肉」】 パリのホテル「カリフォルニア」の、バーテンがつくる「ドライ・マルティニ」は、《パリ一番のほまれ》であると、伊丹十三氏は『ヨーロッパ退屈日記』(新潮文庫)にそう記している。 《大きな...
文学

伴田良輔の「臨月のジグソー」

【サブカルを迂回していては生きていけません。伴田良輔著『眼の楽園』】 円安が止まらない? 政府・日銀が24年ぶりにドルを売って円を買う為替介入に踏み切った?――。 はい、それがどうかしましたか?――。 そんなふうにきょとんとして、こうした荒...