倫敦塔

文学

羊羹と『草枕』と私

【何度も読み耽っている漱石の『草枕』】 風邪をひいていたから、この前漱石山房記念館を訪れた序で、神楽坂の“物理学校”に寄ることができなかった。悔しい。“物理学校”と言えば、『坊っちゃん』の坊っちゃんである。坊っちゃんは東京物理学校出身で、現...
文学

夢十夜―慥かな、とてつもなく慥かな

“夢”(ゆめ)という語には、ロマンチックな趣の想像とは裏腹に、恐怖体験を俄に想起させる二重の意味が隠されている。 考えてみれば私自身、“夢”という語を創作上、それこそ何度も使い回ししているが、過去においてはっきり国語辞典でこの“夢”という語...
音楽

グールドと漱石

※以下は、拙著旧ブログのテクスト再録([Kotto Blog]2010年7月16日付「グールドと漱石」より)。  夏は自室にエアコンがないため、扇風機を回しています。私にとって夏の季節は、この扇風機の風と部屋の暑さによって集中できず、あまり...