2015年マッカートニー再来
岩波書店
細江英公の『シモン・ある私風景』〈1〉
【細江英公がとらえた四谷シモン。『シモン・ある私風景』より】 昭和の浅草の懐かしい風景写真に眼を奪われていると、そこに四谷シモンがいた――。写真家・細江英公の連作『シモン・ある私風景』(1971年)である。 私はこれまで何度も目にしてい...
ジョセフィン・ベーカーではなかった愛の歌
【片山杜秀著「『聞かせてよ愛の言葉を』」】 今年の夏、とある随筆を読んでいて、見落としがたい重要な文章を発見した。専門家や知識人であればそれは、とっくの昔の既成事実に過ぎないのだけれど、私は今頃になってその事実確認と修正のたぐいを余儀なく...
アラビアの道―東博・表慶館にて
【上野の東博・表慶館】 春の兆しを体感した2月末の穏やかな日、東京・台東区の東京国立博物館(通称・東博)におもむく。目的は、『アラビアの道―サウジアラビア王国の至宝』の観覧。東博の表慶館という趣のある場所で、人類の歴史と文明を遡り、アラビ...
冬ぼたんと木下杢太郎
※以下は、拙著旧ブログのテクスト再録([Kotto Blog]2011年2月7日付「冬ぼたんと木下杢太郎」より)。 先週の上野では、東照宮のぼたん苑にて「冬ぼたん」を鑑賞しました。 本来、牡丹は春咲きですが、1月から2月の冬咲き...
資生堂ギャラリーのこと
※以下は、拙著旧ブログのテクスト再録([Kotto Blog]2010年8月10日付「資生堂ギャラリーのこと」より)。 地下鉄から銀座4丁目の交差点のところで上がり、新橋方面へ中央通りを歩いていき、狭い花椿通りを渡った角に、赤煉瓦色をした...
不思議な少年の話
※以下は、拙著旧ブログのテクスト再録([Kotto Blog]2009年12月30日付「不思議な少年の話」より)。 本日が私にとっての“仕事納め”の日でした。この1週間近く、仕事に集中していたために、新聞のコラムすら読みのをためらうくらい...