平凡社

文学

伴田良輔『眼の楽園』―インコと女の子

【伴田良輔『眼の楽園』より、ある女の子の貼紙をデジタル画像化】 いつか死ぬまでに、本気で会いたいと思っている大師匠の文芸作家・伴田良輔氏の名著の数々を綴っている私の趣味周辺においては、世の中のデカダンスも喜劇に過ぎず、キザなアフォリズムの一...
写真・カメラ

ガラス板の中の青年―「郷愁と彼方の非線形」

【昨年入手した古い写真乾板。そのデジタル画像変換の試み】 これ以上はないと思われる百科事典たる荘厳な体裁その情趣。なおかつほとんどヴィンテージと言っていい古めかしい『世界大百科事典』(平凡社、1965年初版)で「写真」をひいてみた。まことに...
美術

見返り美人のこと

【左2枚が「見返り美人」。右2枚は歌川広重「月に雁」】 日本美術史において美人画の最高傑作というものが何であるか、私は知らない。考えたこともなかった。ただし近頃何故か、美人画と称される絵画に出くわす機会が多い。無論、最高傑作などという商業性...
音楽

板橋文夫のピアノ曲「渡良瀬」

北関東を流れる渡良瀬川についてまず触れておく。 《足尾山地の北西縁と南縁に沿って流れる利根川の支流。全長109キロメートル、流域面積約2,745平方キロメートル。水源は栃木・群馬両県境にある皇海山(2,144メートル)の東ろくにあり、足尾町...
写真・カメラ

マン・レイとジョンヴェル

【別冊宝島『現代写真・入門』】 家電量販店で買った二束三文のコンパクトカメラで手短な被写体を写し、35mmフィルム撮影を楽しんでいた20代前半。もともと写真が好きであった。次第にコンパクトカメラ特有の弱点、パララックスの壁にぶち当たり、なん...
科学

百葉箱の記憶

今から30年近く前の、私が1985年に卒業した母校の小学校の卒業アルバムを眺めていて、懐かしいものを発見した。「百葉箱」である。  「百葉箱」を辞典で調べてみた。まず『岩波国語辞典』第七版(岩波書店)では、《百葉箱 気象観測のための、野外に...
美術

美しき色彩―沖縄切手

【琉球郵便切手「民族舞踊シリーズ」】 切手を集めていた頃が懐かしい。 小学4年生の頃は学校の“切手クラブ”に所属し、持っている切手を自画自賛したり、顧問の先生が教えてくれたいろいろな切手の話題に触れたり、実物を見て楽しむことができた。個人的...
旅行

カフェと京都と散歩

※以下は、拙著旧ホームページのテクスト再録([ウェブ茶房Utaro]2004年6月10日付「カフェと京都と散歩」より)。 東京から京都へ  私は17年前に、修学旅行で京都を訪れている。つまり、あれから17年後に再び京都を訪れたことになる。だ...
科学

生後3年間の原初のこと

※以下は、拙著旧ホームページのテクスト再録([ウェブ茶房Utaro]2003年12月9日付「生後3年間の原初のこと」より)。  スコットランドのコートニー・オグラディの調査によると、生後3年間の人間の赤ん坊に、どんな刺激を五感に与えるかで、...