新潮社

映画

漱石パスティーシュ

【問題作?とも言える映画『ユメ十夜』】 先日、大相撲の初場所で大関・稀勢の里が、自身における“悲願”の初優勝を成し遂げた。そうして連日、「日本人横綱が19年ぶりに誕生」という“歓喜”の話題を多くのメディアが取り上げた。私も長年、稀勢の里を応...
演劇

チチ、カエルの想い出

文化祭シーズンたけなわと言うべきなのだろうか。先日、新聞で茨城県の「県高校総合文化祭」開会式が水戸の県民文化センターでおこなわれたという記事を読んだ。 総合文化祭いわゆる総文祭は、10月から11月にかけて、県内の各高校文化部が水戸市やつくば...
文学

歌と朗読とかもめのジョナサン

【リチャード・バック著『かもめのジョナサン【完成版】』】 かもめのジョナサン。長らく書棚の飾り物と化していたこの小説を手にすることにしたのは、その“完成版”が国内出版されると広告で知ったからで、1974年版と“完成版”との差異を散読した上で...
文学

再び『愛蘭土紀行』

幼少の頃よく聴いていたクラシック・レコードのジャケットやら解説のたぐいの写真などで、ロンドンを行進する軍楽隊の、その赤色と黒色の調和の取れた服装であるとか、別の写真におけるパリかどこかの街の、とある市民がフランスパンをハトロンの紙袋に包んで...
文学

ピーティーファンさん

【新潮文庫版『開口閉口』】 8年前、とある雑誌の特集がきっかけで、それまであまりよく知らなかった開高健氏の人柄と文学に興味を抱き、『ロマネ・コンティ・一九三五年』(文春文庫)を読んだ。短篇にして圧倒された。それから同じ頃、彼のエッセイ集『開...
文学

理と思想について

※以下は、拙著旧ブログのテクスト再録([Kotto Blog]2011年9月22日付「理と思想について」より)。  昨日の午後――。楽曲「ママのそばで」のために鍵盤に向かうこと3時間。ある瞬間から、自分がどれだけ集中しているかも気づかぬほど...
文学

philosophy notes

※以下は、拙著旧ブログのテクスト再録([Kotto Blog]2010年2月19日付「philosophy notes」より)。  岩波書店発行の『図書』2月号、熊野純彦氏のエッセイ「西田の影のもとで――詩人哲学者の系譜について」を興味深く...